融資マニュアル
融資を申し込む前に注意するポイント(3.個人情報・設立登記に関する事項)
融資を申し込む前に注意するポイント(個人情報・設立登記に関する事項)
融資を確実に獲得するためには登記段階から戦略性を持って登記することが必要となります。
登記の際に具体的に注意すべき箇所は、
1、本店の所在地
2、事業目的
3、資本金
4、役員の登記
5、個人情報・設立登記に関する事項
です。
5、融資を申し込む前に注意するポイント(個人情報・設立登記に関する事項)
(1) 個人情報をご自身で調べる機関
一般的な信用情報機関となりますので、ご自身の信用情報を確認したい方はご参考として下さい。
・全国銀行個人信用情報センター(JBA)
・株式会社日本信用情報機構(JICC)
・株式会社 シー・アイ・シー(CIC)
ちなみに、携帯電話代金の支払いを遅延している方や、クレジット事故を起こしている場合には、信用情報に懸念が生じてしまっていて、融資を受けられる可能性が低くなりますので、心配であれば事前に調べておくことが良いと思います。
信用情報ブラックの方がよく、5年経過したから大丈夫、7年経過したから大丈夫等と言っておられますが、過去に事業を行っていて保証協会に求償債務が残っている方や、銀行等に債務整理を行ってしまった方がまず、難しいとお考え頂く事が良いでしょう。
過去のデータはなかなか消えるものではありませんし、金融機関は必ず過去のデータは調べ、融資の参考にしますので、甘く考えていると結果として難しい回答になると思います。
①情報開示方法
・窓口開示
・インターネット開示
・郵送開示
②開示手続きにあたっては以下が必要となります。
・信用情報開示申込書(申込者本人用)
・開示手数料
・本人確認資料
利用者による本人開示が原則ですが、法定代理人による開示も認められています。
(2) 一般的な設立登記に関する事項
株式会社は本店所在地を所管する法務局に設立登記を申請することによって成立します。
通常は司法書士や行政書士が代行で行いますが、個人で申請・登記することも可能です。
登記にかかる費用としては、登録免許税15万円、定款の印紙代4万円(電子公証の場合は不要)、定款認証手数料 5万円、定款謄本代2千円などです(合計24,2万円位)。
また、法人印鑑作成費用、登記事項証明書代、印鑑証明書代もかかりますので、会社を設立するだけでも結構費用が掛かりますのでご注意下さい。
①商号
基本的に自由ですが、トラブルなどを避けるため、登記をする住所を管轄する法務局出張所で、類似商号がないかどうか調べておくと良いでしょう。
②本店所在地
会社の住所のことです。これまで記載してきたことに注意して登記してください。
③目的(定款の目的)
設立時に計画している事業だけでなく、今後展開したい事業があれば記載しておいた方がいいでしょうが、融資対象外業種を掲載しないようにしてください。
なお、定款の目的事項(事業の目的事項)の追加は可能ですが、やはり追加で費用が発生しますのでご注意下さい。
④資本金・発行株式数・発行価額
1,000万円を超えると消費税の課税事業者に該当しますのでご注意ください。
⑤役員
役員を複数置く場合は株主総会(必須)、取締役(必須)、取締役会、監査役、会計参与等をどうするのか決める必要があります。
なお、登記後に、役員の追加や削除は可能ですが、やはり追加で費用が発生しますのでご注意下さい。
⑥事業年度・株主総会
事業年度は1年以内であれば自由に決められます。企業の決算が集中するため、税理士、会計士の忙しい3月の決算時期はずらした方が良いと思います。
定時株主総会は原則として毎年一回開催し、事業年度が終了した後、決算の承認(または決算の報告)等を議題に定期的に開催します。その時期については、通常「事業年度の末日を基準日とする」と定款で定めており、その基準日から3ヶ月以内なので、事業年度終了後3ヶ月以内に召集することになります。
しかし、税金の申告期限は事業年度の末日から2ヶ月以内と定められていますので、ご注意下さい。
⑦課税標準額・登録免許税
課税標準額とは資本金です。登録免許税は登記申請する時に課税される税金で課税標準額の1000分の7です(最低15万円)
詳細は税理士に確認されると良いと思います。創業時にはそれほど影響のある税金ではありません。
⑧公告の方法
官報、日刊紙、HPなどから選べます。
⑨払込取扱金融機関
資本金の確認のため個人の普通預金口座を使います。
株主数にも影響しますが、中小企業の場合、経営者の口座がほとんどだと思います。
会社の口座は会社設立後に開設します。
⑩公証人役場
定款の認証を受けるための公証人役場のことです。
⑪発起人(出資者)
1人以上必要です。
⑫取締役の任期
10年以内で設定できます。
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