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融資マニュアル

決算書はここが質問される!

売上高に対する売上債権の比率をあらわす指標で、特に資金繰りを検討するうえで重要な指標として、売上債権回転期間があります。

ここでは、売上債権回転期間が長い場合、金融機関の担当者が決算書や試算表を見るうえで何を考えているかということを解説します。

 

1.売上債権回転期間とは

 

売上債権回転月数(期間) = 売上債権÷(売上高÷12ヶ月)

※売上債権・・・貸借対照表における売掛金、受取手形をさします。

※売上債権回転月数(期間)・・・何ヶ月で売上債権を回収できるかを示す指標になります。

一般的に売上債権回転月数(期間)は「1ヶ月~2ヶ月」以内が目安とされています。

売上債権回転期間の数値が大きく(長く)なっていると、金融機関の担当者は大きく(長く)なる原因があるのではと考えてしまいます。

ちなみに、決算書を提出した時や試算表を提出した時に、売上債権回転期間が長いと、売上債権が過大に計上されているのではと思われ売掛金の内訳を質問されます。

2. 売上債権回転期間が長い場合

なぜ、売上債権回転期間が大きく(長く)なるのでしょうか?

売上債権回転期間が大きい(長い)と売上の過大計上が疑われるのですが、多くの中小企業は金融機関に対して、黒字で健全な会社ですということをアピールしたいために、本来は赤字決算であるにも関わらず黒字決算であるかのよう見せかけるために架空売上や売上の過大計上してしまいます。

これが売上債権回転期間が大きく(長く)なる原因になります。

ちなみに、これは、決算だけでなく、中小企業にとれば期中で融資を受けたい時にもおこることが多いです。

3. 売上債権回転期間が長くなる原因

(1)売上の架空計上

売上の架空計上とは実際には売上が無いにも関わらず財務諸表に計上されている売上のことを意味します。

これは、一度売上を架空計上してしまうと、決算書や試算表を元通り(あるべき姿)に戻すことは厳しくなります。

なぜなら、売上の架空計上は業績が悪化している中小企業が融資を受けるために行うことが殆どだからです。

融資に頼り資金繰りを計画している経営者心理からすれば、今期を乗り越えれば、来期はよくなると考え安易に売上を架空計上し、売上の増加、利益の計上をしてしまいます。

確かに、売上、利益が増加し、売上債権回転期間が過大でなければその場は上手く乗り切る、融資を受けれる可能性が高いです。

しかしながら、売上の架空計上により利益が発生すると法人税や事業税が増え(繰越損失がない場合)、また、売上が増加することで消費税なども増えることになり、結果として資金繰りが悪化しその為の融資が必要になります。

ちなみに、売上の架空計上は安易に出来ますが、この売掛金は決済されることがなく滞留し続けることになりますので、資金繰りは厳しくなり、毎期売上の架空計上残高が残る、新規発生売掛金の残高が残る、売掛債権回転期間は更に大きくなります。

この場合、必ず売掛金に問題があるのではと売掛金の内訳等、金融機関から質問を受けることになり、いずれは金融機関にばれる、金融機関から融資が謝絶されるという可能性が高くなります。

(2)売上の前倒し計上

売上を本来計上すべき事業年度よりも前倒しして計上することを言いますが、売上の架空計上に対してはまだましかもしれません。

なぜなら、売掛金の入金実績を金融機関に対し説明できるからにあります。

その入金を持って架空計上でない、不良債権でないことを証明できるからになります。

ちなみに、売上の前倒し計上は、翌期の売上を前倒し計上するので、余程翌期の売上が回復しない限り、通常は継続して売上の前倒し計上をせざるを得ない状況となってしまいます。

(3)不良債権の発生

不良債権とはその名の通り回収困難に陥っている債権でキャッシュフローが悪化する可能性のある債権を言います。

経営者は不良債権として認識されない為に、本来は不良債権であるにも関わらず、不良債権の残高を形式上増減させたり、不良債権の銘柄を架空や別な取引先に付け替えることを行い不良債権として金融機関に認識されるのを回避するケースが多くなってきています。

ちなみに、これをされると金融機関としては、2期連続して債権額(売掛金残高)が同一(近似値)でなければ気が付くことがないのも事実です。

(4)支払期日が長い債権の存在

これは、建設業などの場合、売掛金の回収が翌月であった場合、その翌月の回収された債権の一部に90日等の手形等がある場合などが多いです。

※月末締め翌月末回収だと、通常は入金サイトが「30日」等として認識して資金繰りを立て易いのですが、例えば売掛金の50%を90日の手形で貰うなどの契約になっていると更に入金されるまでに90日を要するということになります。

ちなみに、通常の商取引における売上債権の回転月数は「1.5ヶ月~2ヶ月」が多いのですが、売上債権回転期間が大きい(長い)要因の一つに売上の出来高計上があげられます。

この場合、売上は出来高計上、費用は売上に応じて計上していない等の場合は不信に思われるので注意が必要です。