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(第4回/4回)中小企業が、金融機関に事業資金(長期運転資金)の借入を申し込んだが謝絶されてしまった・・・なぜ?

中小企業が、金融機関に事業資金(長期運転資金)の借入を申し込んだが謝絶されてしまった・・・なぜ?
借入の謝絶理由を考えてみる!(第4回/4回)

「既に取引のある銀行に融資を申し込んだが、融資を断られてしまった」
「金融機関の担当者からは、融資は大丈夫だと言っていたのに・・・」
という事があると思います。

また、融資の謝絶理由が、
「支店は大丈夫との判断でしたが、審査部の方で難しいとの判断が出てしまった・・・」
「保証協会から、今回は見合わせたいとの判断が出てしまった・・・」
「 本部に掛け合ったのですが・・・ 」
「しばらくしたら再度融資の申し込みをしましょう・・・」
といった返答で、あてにしていた融資が謝絶されてしまい途方にくれてしまうことはないでしょうか?

ここでは、借入の謝絶理由を4回(最終回)に分けて考えてみます。
【借入の謝絶が考えられる理由】
1、赤字決算で返済原資がなく、これ以上の貸付が難しいことによる謝絶
2、返済の遅延がおこったことによる謝絶
3、会社の売上高が減少していることによる謝絶
4、金融機関担当者の融資経験が浅く、審査部への稟議が上手く書けていないことによる謝絶
5、融資を受けて、まだ6ヶ月程度なので、金融機関や信用保証協会等より、しばらく様子を見せて欲しいと言われしまった謝絶
6、債務残高が多くなり過ぎたので、財務上のバランスを取るためといった謝絶
7、貸付金や未収入金等、財務上(貸借対照表)の問題点による謝絶
8、売掛金が年商に対し大きい事等、 財務上(貸借対照表)の問題点による謝絶

7、貸付金等、財務上(貸借対照表)の問題点による謝絶

貸付金勘定は、通常、接待交際費や使途不明瞭な支出を処理したりするためによく使われる勘定科目になります。

貸付金があると、金融機関や信用保証協会は、会社の資金が事業目的以外に転用されているのではないかと疑ってきます。

また、本来費用で処理しなければならない勘定を貸付金で処理しているケースも見られます。

本来、金融機関の融資金や信用保証協会の保証は、事業のために使われることが前提となります。

一方で、貸付金は、資金流用や使途不明金として、貸付金の中身自体が本来の資金使途と異なると金融機関や信用保証協会が認識してしまった場合には、融資の謝絶理由になります。

そのため、貸付金勘定を出来るだけ残さない事を前提に、もし残ったとしても資金流用、使途不明ではない事を証明する為に、
「貸付金の目的」
「貸付金の解消方法」
「金銭消費貸借契約証書等の証拠書類」
を回答は用意しておくくらいが丁度です。
ちなみに、会社の利益を良く見せるために、経費等の費用項目を資産項目に振替える事で、費用を減少させて利益の増加を図るという事は中小企業に取れば多々ある事です。
また、本来費用で処理しなければならない勘定を、仕掛品勘定や商品勘定に振替え利益のかさ上げを行うという事も多々あります。

これは、会社利益のかさ上げ、赤字回避の為の粉飾なのですが、貸付金勘定とは、金融機関や信用保証協会のとらえ方が異なります。

それくらい、金融機関や信用保証協会は貸付金と勘定科目に神経をとがらせているのです。

8、売掛金が年商に対し大きい事等、 財務上(貸借対照表)の問題点による謝絶

取引条件や、売上の月商に対し異常に売掛金が多いのは金融機関や信用保証協会の融資審査にはマイナスとなり決算書に疑義が出て融資謝絶という事があります。

売掛金を過大に計上し費用が一定であれば、利益の計上に繋がるからです。

確かに、月商や売掛金等の回収サイト、また決算書の継続性(前期との利益率の比較)の問題もありますが、今なお売上、利益のかさ上げの簡単な方法として使われているのも事実です。

なお、売上が減少しているにも関わらず、売掛金の増加は誰が見ても怪しいので注意が必要です。

また、売掛金が月商より過大に計上されていると、売掛金の中味自体が問題視されます。
具体的には、回収可能性の低い売掛金の滞留や架空計上の疑いがあるからです。

経営者の立場からすれば、融資を受けるためには、黒字にしなければならないという事は否めませんが、過度な売掛金を計上し、結果融資自体が謝絶にならないように注意して欲しいものです。

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