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1.融資を申し込む前に注意するポイント(本店所在地)

融資を確実に獲得するためには会社の設立段階から戦略性を持って登記することが必要となります。

登記の際に具体的に注意すべき箇所は、
1、本店所在地
2、事業目的
3、資本金
4、役員の登記
5、個人情報・設立登記に関する事項
です。

ここでは、会社設立登記の「本店所在地の登記」についての注意点などを中心に記載します。

1、本店所在地の重要性

(1)本店所在地と信用保証協会

本店をどこに登記するかで申込回数に違いが出てきますので注意が必要です。

というのも信用保証協会には、都道府県にある信用保証協会と市の信用保証協会があるからです。

市の信用保証協会は横浜市信用保証協会川崎市信用保証協会名古屋市信用保証協会岐阜市信用保証協会ですが、これらの市で本店を設置した場合都道府県の信用保証協会と市の信用保証協会とに融資を申込むことが可能となります。

横浜市・川崎市・名古屋市・岐阜市以外の自治体で登記をする場合は、基本的に都道府県の信用保証協会と日本政策金融公庫のみです。

市の信用保証協会も活用できる方が信用保証協会への申込チャンスが多くなりますので検討することも一考かもしれません。

※ちなみに、信用保証協会の保証申込用紙には、他の信用保証協会の活用の有無を記載する欄があります。
基本的には保証枠は他の信用保証協会の活用分と合算といわれていますが、創業時には他の信用保証協会を記載する事はありません。

(2)本店所在地と制度制度

自治体ごとに制度融資というものがあります。

例えば東京都であれば、新宿区の制度融資港区の制度融資、立川市の制度融資・・・です。

区ごとに制度融資の種類の多さが変わります。

事業者が多い「新宿区」や「港区」「豊島区」などは比較的厚く、「文京区」などは薄いと個人的には思っています。

もちろん、これらの制度融資も最終的には各都道府県の信用保証協会が保証審査をされることになります。

ちなみに、融資が上手くいかない場合、本店所在地を移転し、短期間に再度別の自治体(例えば、港区から新宿区に本店所在地を移転した場合)から申し込んでも、信用保証協会が審査するため結果は同じとなります。

(3)本店所在地と東京都新保証付融資制度

東京都の場合、東京信用保証協会の他、東京都独自の東京プラスサポート融資制度があります。

この制度は、東京信用保証協会を活用するのではなく保証機関をオリックス株式会社全国しんくみ株式会社保証付融資株式会社オリエントコーポレーション保証付融資を活用する東京都独自の融資制度となります。

本店所在地に東京プラスサポート融資制度の取扱い金融機関がないと申込を検討しても申し込みができないということもありえますので注意して下さい。

(3)本店所在地は確認される

創業時や新規取引の場合、銀行の担当者は本店が実在するのかということを確認に来訪(現地確認)することがあります。

これは基本的に銀行の担当者の場合と考えておくと良いでしょう。

日本政策金融公庫では公庫の支店内での面談スタイルでの融資審査が一般的ですので、余程のことがない限り現地確認されることはありません。

また、信用保証協会の審査担当者は、まれに初回は本店所在地に来社することがありますが、2回目以降の融資申し込みについては、基本的に銀行経由となりますので、再度来社することはありません。

(4)バーチャルオフィスやシェアオフィスで本店登記することの注意点

バーチャルオフィスやシェアオフィスは安く手軽に様々なサービスを受けることが可能です。

バーチャルオフィスやシェアオフィスでも融資は可能ですが
「専有スペースは無いが本店登記は可(住所利用は可能)」の場合と
「専有スペースも有り本店登記も可(住所利用も可能)」の場合
とで金融機関ごとに対応に異なる可能性があります。

登記が可能でも専有スペースが無いと融資対応基準のオフィスとみなさない金融機関がありますので融資を受けることが前提の企業は創業の時に事前に確認しておくことが良いかもしれません。

(5)本店所在地登記の注意点

創業期には、往々にしてあるものですが、費用の削減を図る目的で、事務所を転貸借で借りたり、マンション管理組合で事務所使用禁止とされている自宅マンションで本店登記してしまった場合に金融機関から融資要件に合わないとしてNGとなるケースがありますので注意が必要です。

※転貸借とは、賃借人が賃貸人から借りた物や権利(本件の場合は事務所)を、第三者(転借人)に又貸しすることを転貸借といい、転借人の権利を転借権といいます。

日本政策金融公庫や信用保証協会、金融機関は本店登記場所の不動産の賃貸借契約書を求めてくることがあります。

この場合の対応方法としては、賃貸人(家主)から「同居承諾書」貰うか、「賃貸人、賃借人、転借人との契約書」で対応することが可能ですが、賃借人(家主)からこのような書類を貰える可能性が低い場合は、事務所は借りておかれる方が賢明かもしれません。

ちなみに、本店登記を代表者の自宅とした場合には、社名の掲示や事務所としての体裁は整えておくことは必要と考えておく方が良いと思います。

※本店登記が自宅住所の履歴事項全部証明書に記載されてしまうため個人信用情報保護法の観点からも避けておく方が無難かもしれません。

2、支店登記は必要?

東京信用保証協会の保証を受けているが千葉県に支店を開設した場合には千葉県信用保証協会でも保証を検討して貰えるケースがあります。

例えば、東京信用保証協会でこれ以上の保証は難しいと言われた場合や他府県に支店があるケースでは他の保証協会での申込を検討することも融資を検討するうえでの選択肢になります。

ちなみに、一般的にメガバンクに比べて地方銀行は信用保証協会との取引が厚いです。

そのため、取引銀行が信用保証協会と強い繋がりがあるのかは確認しておくことをお勧めします。

※例えば、本店所在地が新宿区で東京信用保証協会から信用保証付き融資を受けている場合、新たに、千葉県市川市に支店を開設・支店登記をおこない、千葉県に本店がある地方銀行に対し千葉県信用保証協会の信用保証付き融資を申込む場合をいいます。

3、ドメインの取得は必須

会社設立の登記以前で注意すべき事項として会社名の候補が決まったら先ずはドメインを取得しておきましょう。

会社名が決まってもドメインが取得できなければ会社名を何回も決め直すことになります。

そのため、会社名の候補があれば先ずはドメインが取得可能か否かの確認をお名前.comやムームードメインなどで確認しておくことが必要です。

ちなみに、ドメインの候補を試しに検索した場合、その時にはドメインが取得可能な状況であっても何故か翌日には取得されているケースが散見されますので候補があれば早期取得をおすすめします。



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