融資審査は「銀行の期末ノルマ」を狙え!信用金庫を最強の味方にする方法

「何度申し込んでも融資が通らない…」「銀行員に本音で話してもらえている気がしない…」そんなお悩みを抱えていませんか?
融資獲得は、ただ事業計画書を出すだけでは成功しません。
特に、融資の鍵を握る「信用保証協会」と、地域密着の「信用金庫」の特性を知り、戦略的に動くことが成功への近道です。
この記事を読めば、その具体的なノウハウが分かり、自信を持って銀行と対話できるようになります。
この記事に関する目次
はじめに:銀行だけじゃない!融資の鍵を握る「信用保証協会」とは?
多くの経営者様が融資を申し込む際、銀行の担当者とだけ話をしがちですが、実はその裏には「信用保証協会」という、もう一人の重要な審査担当者がいます。
特に制度融資などでは、銀行は窓口であり、実質的な審査は保証協会が行います。
この両者の役割とスタンスの違いを理解することが、融資戦略の第一歩です。
| 機関名 | 役割 | 収益源 | 審査の傾向 |
| 金融機関 | 融資を実行し、企業の成長を支援する | 融資の利ざや | 収益性を重視し、将来の成長性を積極的に評価しようとする |
| 信用保証協会 | 企業が返済不能になった際に代位弁済する「保証人」 | 信用保証料 | リスクを最小化する視点が強く、審査が慎重・堅実(官僚的)になりがち |
銀行は「攻め」の姿勢、保証協会は「守り」の姿勢と考えると分かりやすいでしょう。
ここだけの話ですが、収益を追求する銀行員と違い、保証協会の担当者は公的な立場から「万が一のことがないか」を厳しくチェックします。この違いを念頭に置いておく必要があります。
1.元銀行員が暴露!信用保証協会の「審査のホンネ」
では、守りの姿勢が強い保証協会の担当者は、具体的にどこを見ているのでしょうか。
(1)数字だけじゃない!担当者が見る「事業の将来性」と「経営者の資質」
保証協会は、決算書の数字を細かく見るのはもちろんですが、それ以上に「この経営者は信用できるか」「この事業は本当に成功するのか」という定性的な部分を重視する傾向があります。
これは、彼らが万が一の際に税金などを含む公的な資金で損失を補填する立場だからです。そのため、以下のような質問を通じて、経営者自身を見ています。
・なぜこの事業を始めようと思ったのですか?(事業への情熱・本気度)
・これまでのご経歴で、この事業に活かせる経験は何ですか?(経営者の能力)
・事業が計画通り進まなかった場合、どう対応しますか?(リスク管理能力)
熱意を語るだけでなく、自身の経験と事業内容を結びつけ、冷静な視点でリスクも認識していることを伝えられるかが重要です。
(2)【注意】一度審査に落ちたら?次に備えるべきこと
残念ながら審査に落ちてしまった場合、すぐに同じ内容で再申請しても結果は変わりません。銀行内では「否決」という記録が残ります。
最低でも6ヶ月以上は期間を空け、その間に否決理由を改善することが鉄則です。
例えば、「売上計画の具体性が乏しい」という理由なら、その間に実績を作り、具体的な売上データを示す必要があります。
これはハードルが高いですが、この努力こそが次の審査で「本気度」として評価されます。
(3)【重要】融資の成否を分ける!金融機関の「期末ノルマ」を逆手に取るワザ
実は、金融機関には融資が通りやすくなる「狙い目の時期」が存在します。
銀行、特に支店の現場では、半期(9月)や年度末(3月)に向けて厳しい営業ノルマが課せられています。融資実行額もその大きな指標の一つです。
期末が近づいてもノルマが未達の支店や担当者は、なんとか数字を達成しようと普段以上に熱心になります。
つまり、彼らが「この案件をなんとか通したい」と思ってくれる状況が生まれやすいのです。このタイミングで、しっかり準備した案件を持ち込むことで、担当者が保証協会を説得してくれる力強い後押しが期待できます。
2.あなたの会社を「応援したい」と思わせる信用金庫との関係構築術
では、どうすれば信金の担当者に「この会社を応援したい!」と思わせることができるのでしょうか。
ポイントは、日頃から戦略的に「貸し」を作っておくことです。
STEP1:取引を集中させ、担当者に「恩」を売る
信金の担当者も、融資以外に様々なノルマを持っています。これを先回りして協力してあげるのです。
【担当者が喜ぶ!関係構築チェックリスト】
☐ オフィスのメインバンクをその信金にする
☐ 法人名義の普通預金口座を開設する
☐ 売上の入金口座として指定する
☐ 公共料金や家賃の引き落とし口座に設定する
☐ 従業員の給与振込口座に指定する
☐ 定期預金や積立預金を始める(少額でもOK)
☐ 経営者個人の口座も開設し利用する
これらを実践することで、担当者は「いつも協力してくれる大事なお客様」と認識します。この積み重ねが、いざという時の交渉力に変わるのです。
STEP2:期末に仕掛ける「戦略的」融資交渉術
日頃の関係構築ができていれば、期末のタイミングで少し強気の交渉も可能になります。
例えば、9月や3月の締め日が迫った頃に融資を申し込み、担当者にこう匂わせるのです。
「今回の融資が難しいようであれば、残念ですが運転資金の都合上、お願いしている定期預金も解約せざるを得ません…」
担当者からすれば、融資のノルマだけでなく、預金のノルマも未達になるダブルパンチです。
もちろん、これは関係性ができていること、そして支店のノルマが未達である可能性が高い時期、という条件が揃って初めて有効な交渉術です。
失敗事例:関係構築を怠り、交渉に失敗した製造業B社(年商8,000万円)
①状況:B社は普段、メガバンクをメインに利用。期末だから融資が出やすいと聞き、近所の信金に初めて訪問し、いきなり1,000万円の設備資金融資を申し込んだ。
②問題点:取引実績が全くなく、担当者との面識もなかった。B社の社長は「期末で困っているだろうから貸してくれるはず」と高圧的な態度を取ってしまった。
③結果:担当者は協力的な姿勢を見せず、審査は事務的に進められ「取引実績不足と事業計画の甘さ」を理由に否決。B社は貴重なチャンスを逃してしまいました。
創業期こそ信用金庫!長期的なパートナーシップを築くメリット
メガバンクは実績のある企業を好みますが信用金庫は創業期の企業や小規模事業者にも親身になってくれる傾向があります。
創業融資を信金で成功させ、地道に関係を築くことは、将来の経営にとって大きな財産となります。
(1)成功事例①
創業融資で信金と関係を築いたITサービスA社(創業1年目)
①状況:A社は創業時、日本政策金融公庫と並行して、オフィス近くの信金にも創業融資を相談。上記のチェックリストを参考に、開業当初から給与振込や引落口座を信金に集中させた。
②評価されたポイント:創業計画の具体性に加え、メインバンクとして長く付き合いたいという社長の姿勢が担当者に評価された。
③結果:信用保証協会付きの創業融資500万円が満額実行。その後も担当者が頻繁に訪問してくれ、経営の良き相談相手となった。
(2)成功事例②
関係性を活かして「つなぎ融資」を成功させた小売業C社(年商1億円)
①状況:C社は信金と5年来の付き合い。ある時、大口の受注が決まったが、材料の仕入れ代金が売上入金の2ヶ月前に必要になる「資金ショート」の危機に陥った。
②交渉:すぐに信金の担当者に相談。これまでの取引実績と誠実な業況報告を続けてきた信頼から、担当者はすぐに短期の「つなぎ融資」の稟議を上げてくれた。
③結果:わずかな期間で500万円のつなぎ融資が実行され、C社は倒産の危機を乗り越え、大きなビジネスチャンスを掴むことができた。これはメガバンクでは難しい、小回りの利く信金ならではの対応でした。
まとめ:賢く、したたかに。金融機関とWIN-WINの関係を築こう
最後に、本日の重要なポイントをまとめます。
①融資審査には、銀行だけでなく「信用保証協会」というもう一人の審査官がいることを理解する。
②保証協会は数字だけでなく、事業の将来性や経営者の資質(本気度)を厳しく見ている。
③融資の狙い目は金融機関の「期末(9月・3月)」。特に信用金庫に有効。
③日頃から信金との取引を集中させ、担当者との良好な関係(貸し)を作っておくことが重要。
④創業期こそ、地域密着で小回りの利く信用金庫をメインバンクに据えるのが長期的に見て得策。
⑤メガバンクと信金では、審査のスタンスも有効な戦略も全く異なることを認識する。
⑥金融機関とは、ただお金を借りる相手ではなく、WIN-WINの関係を築くパートナーである。
融資は、会社の未来を創るための重要な血液です。ぜひ今日の話を参考に、賢く、そしてしたたかに金融機関と向き合ってみてください。
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