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役員貸付金が発生する理由を中小企業経営者向けに解説:銀行が決算書で本当に見ているポイント


決算書に役員貸付金が残っていて、融資にどう響くのか、銀行に何をどう説明すべきか不安ではありませんか。
この記事では元銀行員の視点で役員貸付金が発生する理由とケース、審査での見られ方、面談での答え方まで整理します。
ここでは、役員貸付金は税務上の論点というより、銀行から見れば経営姿勢と資金管理の癖が透けて見える科目です。
ここを曖昧にしたまま銀行面談に行くと思わぬ減額や見送りにつながります。

この記事に関する目次

1.そもそも役員貸付金とは:決算書で何を意味するのか

役員貸付金は、会社が社長や役員個人にお金を貸している状態を示す勘定科目です。
貸借対照表では資産に載ります。
元銀行員の感覚でいうと役員貸付金は資産というより、回収可能性が読みにくい滞留資金として扱われやすいのが実態です。
ここだけの話ですが、稟議書では数字も重要ですが、発生理由と管理の仕方が説明できるかを見ます。
説明できない場合、財務管理が弱い会社という評価になりやすいです。

2.銀行が役員貸付金を見るときの本音:審査で不利になりやすい4点

(1)公私混同を疑われる

役員貸付金があると、まず疑われるのは会社と個人財布の境界が曖昧ではないかという点です。
特に金額が大きい、毎期増えている、長期間動きがない場合は管理不足として評価が落ちます。

(2)実質的に自己資本が薄いとみなされる

銀行は決算書をそのまま眺めるだけではなく、内容を調整して実態に近づけます。
役員貸付金は回収が不確実と判断されると資産価値を目減りさせて考えます。
その結果、見かけの純資産はあるのに、実態は債務超過に近いという扱いになることがあります。
融資審査ではここが効きます。

(3)資金繰りと内部管理の弱さのサインになる

運転資金が足りないと言いながら、社長に貸しているお金が残っている。
銀行員はこの矛盾に敏感です。
資金繰り表の精度、現金管理、経費精算のルールなど、周辺領域まで確認したくなります。
結果として追加資料が増え審査が長引きます。

(4)融資が役員貸付金に?銀行が警戒する理由
① 資金使途違反という重大な契約違反になるから

銀行融資は、運転資金や設備投資など、契約で定めた事業目的にのみ使うのが大原則です。
融資金が役員への貸付など事業と無関係な個人的な目的で使われると、それは重大な「資金使途違反」という契約違反になります。
発覚すれば、融資金の一括返済を求められることもある厳しいルールです。
また、融資を行ってもまた役員貸付金が発生するのでは考え、新規融資自体に慎重になります。

② 会社の返済能力がなくなり、貸倒れリスクが高まるから

銀行は、融資した資金が事業に使われ、生み出された利益から返済されると見込んでいます。
しかし、お金が役員貸付金として会社の外に出てしまうと、事業は成長せず利益も生まれません。
これは、銀行から見れば「返済の原資がなくなる」ことを意味し、貸したお金が返ってこない最大のリスクです。

3.役員貸付金が発生する理由を中小企業経営者向けに整理:典型ケース5選

役員貸付金が発生するケースは、ほぼパターン化しています。
自社の状況に近いものを特定できると、銀行への説明が一気に現実的になります。

【ケース1】 生活費や個人ローンなどの資金不足を会社資金で補った

一時的な生活費、住宅ローン返済、教育費などを会社口座から出してしまうパターンです。
中小企業では社長個人が資金面で背負っているものも多いので起きがちですが、銀行からは公私混同の代表例として見られます。

【ケース2】役員報酬の設計ミスで、個人の手元資金が回らなくなった

役員報酬を低く設定しすぎた、あるいは期中で大きく下げた結果、個人側の支払いが回らず会社から借りる形になることがあります。
税金や社会保険料の見込みが甘いと、このケースが増えます。銀行は、資金計画の粗さとして受け取ります。

【ケース3 】経費と私用の境界が曖昧で、経費否認や付け替えが起きた

プライベートな飲食、旅行、買い物などが会社支出になっていて、会計上は役員貸付金に振り替えられるパターンです。
この場合、銀行は税務リスクも気にします。
税務調査での指摘が入ると、利益や税金が変わり資金繰りが崩れる可能性があるからです。

【ケース4 】領収書不足や摘要不備で、仮置きとして役員貸付金に入れた

現場での小口現金、カード明細、ネット決済などが増えると経理処理が追いつかず、とりあえず役員貸付金に置くことがあります。
元銀行員の経験上、ここが一番危険です。
使途不明に見えると説明コストが跳ね上がります。

【ケース5 】グループ会社や個人事業との資金移動が混在している

社長が複数事業をまたいで資金を回していると会社間貸借や立替が混ざり、結果的に役員貸付金として残ることがあります。
銀行は、誰が誰にいくら貸しているかが整理されていない状態を嫌います。
返済原資の見通しが立たないためです。

4.銀行が納得しやすい説明の骨格:役員貸付金は何を揃えるべきか

役員貸付金の説明は上手い言い回しより、材料の揃え方で勝負が決まります。銀行面談に向けて最低限そろえたいのは次の3点です。

【説明で必ず押さえる3要素】

① 発生理由は何か
② いつ発生し、いま残高はいくらか
③ 今後どう管理し、どう減らしていく前提か

返済方法そのものの詳細は別途検討としても、方向性だけは言える状態にしておくと審査が進みます。

5.事例で理解する:融資の明暗を分けた役員貸付

数字は分かりやすさのため一部調整していますが、判断の構造は現場そのものです。

【失敗事例】:理由説明が曖昧で減額になった建設業B社
企業概要 年商8,000万円の建設業、従業員12名
融資希望額 1,000万円 運転資金
決算書の状況 役員貸付金 500万円が3期ほぼ横ばい
審査結果 500万円に減額
【問題視されたポイント】 ①面談で理由を聞くと、社長の説明が「いろいろあって」「そのうち戻す」という曖昧なものに終始しました。
②資金繰り表もなく、いつから何に使ったかの理由・説明もなし。

【ポイント】
銀行内部では、説明不能な役員貸付金は回収不能と同義に近く扱われます。
その結果、貸付金相当分は実質的に自己資本を押し下げる要因となり融資枠が縮みました。

【成功事例1】:発生理由と再発防止が整理され、満額承認になったITサービス業A社
企業概要 年商5,000万円のITサービス業、従業員8名
融資希望額 800万円 設備投資資金
決算書の状況 役員貸付金 700万円
審査結果 800万円 満額承認
【評価されたポイント】 ①社長が役員貸付金の発生理由を説明
②経費精算のルールとカード利用の社内手順を整備し再発防止として提示。
③今後、貸付金の増額は起こさないことを文章で宣言
④貸付金の解消方法を記載

【ポイント】
社長が、役員貸付金の内訳を月別に整理し、発生理由を一つずつ説明できました。加えて、経費精算のルールとカード利用の社内手順を整備し再発防止として提示。
銀行側は、過去の是非よりも、これからの管理ができる会社かを見ます。
資金繰りの精度も高く、融資審査での懸念が小さくなりました。

【成功事例2】:大口の役員貸付金でも、見える化で追加融資が通った飲食業C社
企業概要 年商1.2億円の飲食業、従業員25名
融資希望額  1,500万円( 新規出店のための設備・運転資金)
決算書の状況 役員貸付金 1,000万円が長年残っている
審査結果 800万円の減額承認(設備資金のみ承認)
減額承認理由 金額が大きかったため銀行は強く警戒。そのため、資金使途が明確な設備資金のみ承認
【評価されたポイント】 ①C社は、役員貸付金が発生した経緯を年ごとに整理し、当時の資金繰り悪化と社長個人立替の混在を文章で説明
②資金繰り表と事業計画書で新店の収支と返済余力を数字で示しました
③銀行の対応状況を鑑み、運転資金は自己資金で充当可能なことを説明し設備資金のみの融資に変更。
④貸付金の解消方法を記載

【ポイント】
役員貸付金があるから即アウトではなく、確かに多額の役員貸付金があると融資は厳しい状況となりますが、説明可能な形に整っているかが分かれ目になります。

6.チェックリスト:銀行に行く前に必ず確認すること

役員貸付金がある会社ほど、準備の差が結果に直結します。以下を面談前に点検してください。

(1)役員貸付金の残高が、いつから増減しているか説明できる。
(2)発生理由をケース別に言語化できる。
(3)領収書や明細が不足している部分がどこか把握している。
(4)資金繰り表を直近12か月と今後12か月で作れている。
(5)事業計画書に、融資資金の使途と回収ストーリーが書けている。
(6)信用保証協会付きで行くのか、プロパーで行くのか方針がある。
(7)役員貸付金の解消計画が作成できる。
(8)税理士と論点整理が済んでいる。

7.銀行面談で役員貸付金について質問されたら 想定問答集 Q&A

面談での受け答えは、うまく話すことより、ぶれないことが大切です。
銀行員は矛盾を一番嫌います。

Q1 決算書のこの役員貸付金は、何に使ったのですか

【NG回答】
細かいことは覚えていません。
いろいろありまして・・・。

【OK回答例】
恥ずかしい話ですが、◯年◯月に私個人の資金需要があり、会社口座から一時的に立て替えました。
公私の区別が甘かった点は反省しています。内訳はこの一覧の通りです。
若しくは
役員報酬の設定額が低く、一時的に会社の資金を生活費として充当してしまいました。また、決算時期に仕事で忙しく接待交際費等の領収書を税理士に渡すことができず役員貸付金として残ってしまいました。

【銀行員の見方】
理由の善悪より、事実が追えるかが焦点です。内訳表を出せると一気に印象が変わります。(内訳がだせなくても、発生した理由は明確に回答する必要があります。)

Q2 なぜ役員貸付金として残ったままなのですか

【NG回答】
税理士に任せていたので分かりません。
忙しくて後回しでした。

【OK回答例】
当時は資金管理のルールが弱く、立替と私用が混ざった処理になっていました。
現在は経費精算の手順と口座の使い分けを決め、同様の処理がおきない体制に改めています。

【銀行員の見方】
他責にすると評価が下がります。原因を認め管理の仕組みに落としているかを見ます。

Q3 役員貸付金は今後どうする予定ですか

【NG回答】
利益が出たら返します。
いずれ何とかします。

【OK回答例】
方向性としては、今後は発生させない運用に切り替えています。
残高についても、税理士と相談のうえ、減らしていく計画を作成中で、次回面談までに具体案を提示します。(次回面談がない場合は厳しい判断となる可能性が高い)
若しくは、
残高については、現在、増加させないようにするとともに、来期以降は役員報酬を増額し役員貸付金残高を解消していきます。また、役員貸付金解消計画通り、〇年で解消する計画としています。

【銀行員の見方】
返済方法の細部より放置しない姿勢が重要です。期限を切って提示する姿勢が好印象です。

Q4 役員貸付金があるのに、なぜ融資が必要なのですか

【NG回答】
とにかく運転資金が足りないからです。

【OK回答例】
今回の融資資金の使途は事業の運転資金で、入金サイトと支払サイトのギャップを埋める目的です。
役員貸付金の残高は課題として認識しており、別途管理と縮減を進めます。
資金繰り表にギャップの根拠をまとめています。

【銀行員の見方】
資金繰りの説明ができるかが核心です。数字で語れると審査が前に進みます。

8.注意点:これをやると審査でNGになりやすい

役員貸付金絡みで危ない行動を言います。次のような対応は避けてください。

(1)役員貸付金の発生・使途を取り繕う、辻褄が合わない説明をする。
(2)役員貸付金の残高を隠す、勘定科目を動かして見えなくする。
(3)資金繰り表・解消計画なしで運転資金を申し込む。
(4)面談で税理士のせい、経理担当者のせいにする。

銀行員は過去のミス自体よりも、誠実さと管理能力を見ています。隠した瞬間に信頼が崩れます。

9.まとめ 要点 7つ

(1)役員貸付金は資産に見えても、銀行は回収可能性を厳しめに見る。
(2)審査で嫌われる本質は、公私混同と管理不全の疑いが出る点。
(3)役員貸付金が発生する理由は、生活費補填、報酬設計ミス、経費私用混在、仮置き処理、事業間資金混在が多い。
(4)金額の大小より、内訳と発生経緯を説明できるかが融資の分かれ目。
(5)成功企業は、資金繰り表と事業計画書で数字の整合性を示している。
(6)役員貸付金の解消計画は必要。
(7)面談ではごまかさず、事実と再発防止の仕組みをセットで話す。

10.次のアクションプラン 3つ

(1)決算書と総勘定元帳を確認し、役員貸付金の増減が分かる資料を作る。
(2)資金繰り表を直近12か月と今後12か月で作成し、運転資金の根拠を数字で説明できるようにする。(可能であれば・・・)
(3)顧問税理士と一緒に役員貸付金が発生したケースの整理と銀行面談での説明ストーリーを作る。







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