この記事では、東京商工会議所が提供する「小口零細企業保証制度」について解説します。

この制度は、経営改善と資金調達を支援するもので通常の融資よりも有利な条件で資金を借りられる可能性があります。

ぜひ、この制度を活用して事業の成長に役立ててください。

1.東京商工会議所「小口零細企業保証制度」とは？

東京商工会議所の「小口零細企業保証制度」は、経営改善を図りながら資金調達をしたい中小企業向けの融資制度です。
この制度を利用することで、通常の融資よりも低い金利で資金を借りることができます。

【制度の特徴】
①東京商工会議所が、経営の改善と資金調達をサポートします。
②通常の小口資金融資より融資利率が 0．4％優遇されます。
③融資を受けるためには、東京信用保証協会の信用保証が必要となります。
④責任共有制度開始後も、東京信用保証協会の 100％保証となります。

2.融資対象

以下の要件(1)から(5)までを満たした上で更に(6)又は(7)を満たす方。

（1）東京23区内に事業所を有し東京信用保証協会の保証対象業種に属する事業を営んでいること。
（2）事業税や法人税（個人事業主の方は所得税）その他租税の未申告・滞納や、社会保険料等の滞納がないこと。
（3）当該事業を営むために許可、認可、登録、届出等を必要とする業種にあっては当該許認可等を受けていること。
（4）従業員数が20人以下（商業・サービス業は5人以下）の中小企業者。
（5）現在かつ将来にわたって、暴力団員等に該当しないこと、暴力団員等が経営を支配していると認められる関係等を有しないこと及び暴力的な要求行為を行わないこと。
（6）東京商工会議所から1年以内に6か月以上の経営指導を複数回受け、その証明を受けた中小企業者。
（7）経営革新計画に係る中小企業診断士の実施フォローアップを受けたことについて確認申請書により確認を受けていること。

3.融資条件（融資の詳細）

（1）資金使途

・運転資金・設備資金

（2）融資限度額

・2,000万円
※但し、既存の保証協会の保証付き融資残高（根保証・当座貸越等は極度額）との 合計で 2,000万円以下となります。

（3）融資期間

・運転資金：7年以内 （据置期間１年以内を含みます。）
・設備資金：10年以内 (据置期間１年以内を含みます。）

（4）貸付利率

・固定金利か変動金利を選択できる制度となっています。
※変動金利については、一部取り扱っていない金融機関があります。

①固定金利

・0.4％優遇金利
借入期間の長短により異なる金利となります。
・3年以内・・ 1.9％以内
・3年超5年以内・・ 2.1％以内
・5年超7年以内・・2.3％以内
・7年超・・2.5％以内
※上記金利は令和6年4月1日現在のものです。
※固定金利は、半年毎（4月・10月）に見直します。

②変動金利

・0.4％優遇金利
・短期プライムレート　＋0.7％以内
※短プラの水準及び変動サイクルは金融機関により異なります。

（5）返済方法

・分割返済とします。
（但し、融資期間が1年以内の場合は一括返済とすることができます。）

（6）融資形式

・証書貸付または手形貸付とします。
（但し、融資期間が6か月以内の場合は手形割引又は電子記録債権割引とすることができます。）

（7）信用保証

・保証協会の信用保証を要します。
（責任共有制度対象外となるため100％保証が維持されます。）

（8）保証料率

・保証協会所定の料率　なお、東京都が保証料の２分の１に相当する保証料を補助されます。

（9）保 証 人

・法人の場合は、代表者（実質的な経営権を持っている者等を含む。）を連帯保証人とします。
・個人事業主の場合は、原則として不要とします。

（10）物的担保

・原則として無担保。

4.融資を受ける手順

①東京商工会議所に経営指導を申し込み
②東京商工会議所が6か月以上の経営指導を実施
③経営指導内容の証明書の発行を依頼
④東京商工会議所が経営指導内容の証明書を発行
⑤証明書を添付し、金融機関へ融資申し込み
⑥金融機関から東京信用保証協会へ信用保証を申し込み
⑦東京信用保証協会による審査
⑧東京信用保証協会から金融機関へ保証決定の連絡
⑨金融機関が融資を実行

5.申込み方法

お申込み・ご相談を希望の方は、経営指導内容証明依頼書・情報提供に関する同意書を印刷し、必要事項を記入・捺印の上、事業所の所在する東京商工会議所の 各支部窓口までご持参ください。

6.問合せ先

近くの東京商工会議所の各支部までお問い合わせください。

7.まとめ

東京商工会議所の「小口零細企業保証制度」は、中小企業が有利な条件で資金を調達できる制度です。

経営指導を受けることで、事業の改善と成長を図りながら、低金利で資金を借りることができます。

資金調達でお困りの方は、ぜひこの制度をご検討ください。