創業融資面談における好意的サインの読み取り方
創業融資の面談は単なる質疑応答ではなく、担当者の言動から審査の行方を予測できる重要な機会です。
担当者にもよりますが前向きに検討している場合、特徴的な言動パターンが現れます。
本記事では、融資承認の可能性を示すサインと、それに対する効果的な対応策を解説します。
これらの知識を活用し、面談での適切な受け答えで融資実現の確率を高めましょう。
この記事に関する目次
1. 詳しい質問が増える場合
(1) 事業計画の具体的な内容を掘り下げてくる
①こんな質問が出たら好サイン
「この売上はどうやって計算したのですか?」
「最初のお客様はどうやって集める予定ですか?」
「広告費をどのように使う計画ですか?」
②なぜ良いサイン?
担当者は融資を通すための資料(融資の稟議書)作りをしています。
断る予定なら、このような詳しい質問はしません。
質問が具体的になるほど、融資を真剣に検討している証拠です。
③効果的な対応
具体的な数字や計画内容を明確に答えましょう。
「月間顧客30人×客単価5万円で計算しています」「SNS広告に月10万円、チラシ配布に5万円の予算を考えています」など、詳細な情報を提供することで信頼度が高まります。
2. 融資後の話をしてくる場合
(1) お金の使い方や返済について確認してくる
①こんな質問が出たら好サイン
「月々の返済は無理なく続けられそうですか?」
「売上が少ない時期の返済はどうお考えですか?」
②なぜ良いサイン?
これらの質問は、融資実行を前提にした確認です。
担当者は「お金を貸した後」のことを考えています。
融資を断る予定なら、ここまで詳しく聞きません。
③効果的な対応
資金の使い道の優先順位を明確に伝え、返済計画の根拠も説明しましょう。
「最初は店舗改装に50万円、在庫仕入れに30万円を使います」「売上が少ない最初の3か月は自己資金から20万円を返済に充てる準備があります」など、具体的な計画を示すと安心感を与えられます。
(2) 融資の条件について説明がある
①こんな発言が出たら好サイン
「融資が決まったら、こういう書類を提出してください」
「半年ごとに経営状況を報告していただく必要があります」
②なぜ良いサイン?
融資実行後の手続きや条件を説明するということは、融資を通す方向で考えているという意味です。
③効果的な対応
「承知しました。きちんと対応します」と素直に応じましょう。
条件に対して前向きな姿勢を示すことが大切です。
3. 審査の流れを具体的に説明してくれる場合
(1) 具体的な日程や手続きを説明してくれる
①こんな発言が出たら好サイン
「この後、本部で審査して、2週間後くらいに結果をお知らせします」
「来週までに審査部に書類を提出する予定です」
②なぜ良いサイン?
具体的な審査スケジュールを示すということは、担当者が積極的に審査を進めようとしている証拠です。
断る予定なら「検討します」など曖昧な表現になります。
③効果的な対応
スケジュールをメモして、「では、〇日までに追加資料を準備します」など、審査をスムーズに進めるための協力姿勢を示しましょう。
(2) 追加資料の提出を求められる
①こんな発言が出たら好サイン
「この事業計画に加えて、売上が少ない場合のシミュレーションも出していただけますか」
「主要取引先との契約書や見積書があれば審査に役立ちます」
②なぜ良いサイン?
「この資料があれば審査を通せる」という思いで追加資料を求めています。
担当者はあなたの融資を通すための根拠を集めているのです。
③効果的な対応
要請された資料は迅速に準備し、「他にも役立ちそうな資料があれば教えてください」と積極的に協力する姿勢を見せましょう。
4. 融資条件の調整を提案してくる場合
(1) 融資額や内容の調整案を提示してくる
①こんな発言が出たら好サイン
「希望の1,000万円全額は難しいかもしれませんが、800万円なら可能性があります」
「運転資金と設備資金を分けて申請した方が通りやすいかもしれません」
②なぜ良いサイン?
単に断るのではなく、代替案を提示するということは「何とかして融資を実行したい」という意欲の表れです。
調整の余地があることは、基本的に前向きな姿勢を示しています。
③効果的な対応
「その金額でも十分対応できます」「ご提案の方法で申請し直します」など、柔軟に対応する姿勢を見せましょう。
減額された場合の修正事業計画をすぐに提示できると好印象です。(求められた場合)
(2) 他の支援制度も紹介してくれる
①こんな発言が出たら好サイン
「この補助金も併せて申請されるといいですよ」
「信用保証協会の別の制度も検討してみませんか」(日本政策公庫の担当者の場合)
②なぜ良いサイン?
担当者があなたの事業を応援したいと考えています。
単なる融資審査ではなく、事業の成功を見据えた提案は事業に可能性を感じている証拠です。
③効果的な対応
「ぜひ詳しく教えてください」と積極的に情報を求め提案された制度についても検討する姿勢を示しましょう。
5. 担当者の態度や行動から読み取るサイン
(1) 面談時間が長くなる
①こんな状況なら好サイン
話が弾んで時間が1時間以上に延びている
担当者が時間を気にする様子がない
②なぜ良いサイン?
時間管理が厳しく、可能性の低い案件に長時間を費やすことはありません。
時間をかけてくれるということは、真剣に検討している証拠です。
③効果的な対応
焦らず丁寧に説明し、担当者の質問に詳しく答えましょう。
ただし、不必要に長引かせるのは避け要点を押さえた対応を心がけましょう。
(2) メモを熱心に取っている
①こんな状況なら好サイン
あなたの話を詳しくメモしている
「この点は審査資料に記載します」と言ってくれる
②なぜ良いサイン?
担当者は上司や審査部門に提出する資料の材料を集めています。
特に「資料に記載します」という発言は、あなたの融資を通すために積極的にアピールしようとしている証拠です。
③効果的な対応
担当者がメモを取っている内容に関連する追加情報を自発的に提供すると、より充実した審査資料を作成してもらえます。
(3) 共感や肯定的な反応が多い
①こんな発言が出たら好サイン
「なるほど、そのアイデアはいいですね」
「その業界経験は強みになりますね」
②なぜ良いサイン?
通常、面談中は中立的な態度を取るよう訓練されています。
明確に肯定的な反応を示すということは、あなたの事業を高く評価している可能性が高いです。
③効果的な対応
良い反応があった点をさらに掘り下げて説明し、自信を持って事業の強みをアピールしましょう。
6.まとめ:融資が通りそうなサインと対応方法
(1)前向きに検討していると思われるサイン
①詳しい質問が増える:事業の具体的内容を確認している
②融資後の話をする:融資実行を前提とした確認をしている
③審査の流れを具体的に説明:明確なスケジュールを示している
④融資条件の調整を提案:何とか融資を実行したいと考えている
⑤面談時間が長く、メモを取り、肯定的反応が多い:あなたの事業に関心を持っている
(2)対応方法
①質問には具体的・数字を交えて答える
②追加資料はすぐに提出する
③提案された条件調整に柔軟に対応する
④返済計画の確実性を具体的に説明する
⑤長期的な取引への意欲を伝える
ただし、これらのサインがあっても必ず融資が通るわけではありません。
最終的な決定権は審査部門にあります。
面談後も必要な資料の準備や情報提供を積極的に行い融資実行の可能性を高めましょう。
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