創業融資を成功させる7つのチェックポイント

「これから事業を始めるけど、実績ゼロで融資なんて無理だろう…」そう諦めていませんか?
実は、創業融資には、創業期だからこそ使える「特権」と、銀行員が必ずチェックする「急所」があります。
審査の最重要項目である「自己資金」の本当の意味から、絶対にやってはいけない「みせ金」の危険性、審査を有利に進めるための具体的な準備まで、創業融資の全てを本音で語ります。
この記事を読めば、あなたの船出はもっと力強いものになるはずです。
この記事に関する目次
1.はじめに:なぜ「創業融資」は特別なのか?
これから自分の夢を懸けて事業を始めようとする起業家の皆様、こんにちは。
私はかつて金融機関の融資担当者として、多くの“未来の社長の門出をサポートしてきました。
その経験から断言できるのは、「創業融資は、通常の融資とは全く別の“競技”である」ということです。
通常の融資は、過去の決算書という「成績表」をもとに審査します。
しかし、創業期にはその成績表がありません。
では、私たち銀行員は何を頼りに「この人に大切なお金を託せるか」を判断するのでしょうか?
それは、過去の実績ではなく、「未来への本気度」と「計画の緻密さ」です。
そして、その本気度を客観的に示す最も強力な証拠が、今回詳しく解説する「自己資金」なのです。
この記事では、私が融資の最前線で見てきた「審査に通る人・落ちる人」の決定的な違いを踏まえ、創業融資の審査で特に重要となる7つのチェックポイントを、具体的な事例と銀行員の本音を交えながら徹底解説します。
2.【最重要】自己資金は、あなたの「本気度」を測るものさし
創業融資の審査において、自己資金は単なる「手持ちのお金」ではありません。それは、「この事業のために、どれだけの時間と情熱を注ぎ、リスクを背負ってきたか」という、あなたの覚悟の証明書なのです。
(1)どれくらい用意すればいい?銀行員が安心する水準
一般的に、創業に必要な資金総額の3分の1以上の自己資金があると、審査は非常にスムーズに進みます。
例えば、店舗の保証金や内装工事、初期の仕入れなどで合計1,000万円が必要なら、300万円程度の自己資金がひとつの目安とお考え頂くと良いかもしれません。
(2)どこまでが「自己資金」?銀行員が見ている通帳の中身
私たちは、必ず通帳のコピー(過去半年~1年分)を提出していただき、そのお金が「どのように貯められたか」を厳しくチェックします。
◎(完璧な自己資金)
毎月コツコツと給与から貯金されている記録。これこそ「事業のために計画的に準備してきた」という最高の証拠です。
〇(認められる自己資金)
親族からの贈与。ただし、「いつ、誰から、いくら」を明記した「贈与契約書」を添付すると、信憑性が格段に上がります。口約束だけでは、後で「実は借りたお金でした」となるリスクを懸念します。
△(見なし自己資金)
融資申込前に、事業のために支払った費用(例:フランチャイズ加盟金、店舗の保証金など)。領収書があれば、自己資金の一部として認めてもらえることが多いです。
×(絶対NGな「みせ金」)
融資審査の直前に、第三者から一時的に入金された多額のお金。私たちは、これを「みせ金」と呼び、最も悪質な行為と見なします。通帳のお金の流れを見れば一目瞭然です。
これが発覚した場合、融資が否決されるだけでなく、その金融機関との将来の取引は絶望的になります。
信用を失う代償は、あまりにも大きいと肝に銘じてください。
(3)事例:堅実なBさんのケース
Bさんは、カフェを開業するために5年間、毎月5万円を「開業用口座」に貯め続け、300万円の自己資金を準備しました。
その通帳の記録は、どんなに立派な事業計画書よりも雄弁に、彼女の事業への本気度を物語っていました。
稟議書にも「5年間にわたる計画的な自己資金形成は、事業主の強い意志と計画性を証明するものである」と書き、満額回答を得ることができました。
3.創業融資の「賞味期限」を逃すな!
「今は自己資金で何とかなるから、事業が軌道に乗ってから融資を申し込もう」と考える方がいますが、これは危険な考え方です。
創業融資は、創業期の事業者を支援するための特別な制度です。
例えば、日本政策金融公庫では創業後7年以内、自治体の制度融資では創業後5年未満など、利用できる期間に限りがあります。
何より、一度でも赤字決算を出してしまうと、融資のハードルは一気に跳ね上がります。
実績がない「創業時」こそが、事業計画と自己資金で勝負できる最大のチャンスなのです。
4. 申し込み金額は「希望額」ではなく「積算額」で
「借りられるだけ借りたい」という発想は禁物です。融資の申し込み金額は、「何に」「いくら」必要かを積み上げた結果でなければなりません。
店舗の内装費、厨房機器代、PC購入費、当面の運転資金(家賃や人件費の3~6ヶ月分)など、必要な資金を一つひとつリストアップし、見積書を添付した「資金計画書」を作成しましょう。
「この金額には、これだけの明確な根拠があります」と示すことが、説得力の源泉です。
5. 担保・保証人は原則不要。しかし…
日本政策金融公庫の創業融資や多くの制度融資は、原則として無担保・無保証(代表者の連帯保証も不要な場合が多い)で利用できます。
これは、創業者にとって最大のメリットです。ただし、法人の場合、金融機関によっては代表者の連帯保証を求められるケースもありますので、事前に確認しましょう。
6. 個人の「信用情報」は丸裸だと思え
「会社の融資なのに、個人の借金が関係あるの?」と思われるかもしれませんが、大いに関係あります。
審査の過程で必ず信用情報機関(CIC、JICCなど)に照会し、経営者個人の借入状況を確認します。
・消費者金融からの高額な借入
・クレジットカードのキャッシング枠の使い過ぎ
・スマホ代や奨学金の返済遅延
これらの情報があると、「お金にルーズな人」「個人の生活資金に困窮しているのでは?」と判断され、審査に深刻な影響を与えます。
融資したお金が事業ではなく、個人の借金返済に流用されるリスクを懸念するからです。心当たりがある場合は、隠さずに正直に担当者に話し、現状を説明することが重要です。
7. 債務整理歴(自己破産など)がある場合
過去に自己破産などの債務整理を行った場合、その情報が信用情報機関に登録されている期間(約5~10年)は、残念ながら新規の融資は極めて困難です。
これは、金融機関にとって最も重い事故情報だからです。
この期間が終了し、情報が抹消された後であれば、再度チャレンジする道は拓けます。
8. 融資申し込みに必要な「三種の神器」
金融機関から指示される書類は多岐にわたりますが、特に魂を込めて作成すべき「三種の神器」があります。
(1)事業計画書:あなたの事業の設計図。誰に、何を、どのように提供し、どうやって儲けるのかを具体的に記述します。
(2)資金繰り表:開業後、お金がどう動き、いつ現金が不足しそうかを予測する、会社の生命線。
(3)自己資金を証明する通帳:上述の通り、あなたの覚悟を示す最も重要なエビデンス。
これらの書類を事前に完璧に準備しておくことが、スムーズな審査への一番の近道です。
9.まとめ:創業融資は、未来への投資。あなたの「覚悟」を形で示そう
創業融資の審査は、過去の成績表がない代わりに「未来への計画性」と「事業への本気度」が問われる場です。
今回解説した7つのポイント、「計画的に貯めた自己資金」と「根拠のある事業計画」、そして「クリーンな個人信用情報」。この3つを揃えることが、審査通過の鍵となります。
これから始まるあなたの事業は、無限の可能性を秘めています。
その船出を力強く後押しするのが、創業融資です。
不安な点があれば、一人で悩まず、日本政策金融公庫や地域の商工会議所、金融機関の創業相談窓口に足を運んでみてください。
専門家は、あなたの夢を現実にするためのパートナーとなってくれるはずです。
万全の準備で、自信を持って未来を語り、事業成功への第一歩となる資金を掴み取りましょう!
資金繰りが厳しく、資金調達の準備が必要、自社に合った融資制度を知りたい、
手続きが難しそうで進める自信がないなど
元銀行員が融資獲得まで
サポートします!
- 資金繰りが厳しく、資金調達の準備をしなければ心配。
- 自分に合った融資制度を知りたい。
- 手続きはが難しそうで、自分ではなかなか進められない。
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