法人融資・資金調達の情報なら
日本資金調達センターがサポートします!

日本資金調達センター

銀行が唸る!融資審査を120%有利に進める事業計画書の書き方完全ガイド

「事業計画書、何から書けばいいか分からない…」「熱意はあるのに、どう数字で示せばいいんだ…」と頭を抱えていませんか?
この記事では、融資審査の裏側を明かしながら、あなたの事業の魅力を120%伝える事業計画書の書き方を解説します。

「融資の成否は、事業計画書で8割決まる」ということです。

事業計画書は、単なる書類ではありません。あなたの事業への「熱意」と「実現可能性」を銀行員に伝えるための、唯一無二のプレゼン資料であり未来の約束です。

しかし、多くの経営者がこの事業計画書の作成でつまずき、本来受けられるはずの融資を逃している現実も目の当たりにしてきました。

そこで今回は、「この経営者になら融資したい!」と感じた事業計画書のポイントを、具体的な事例や実践的なツールも交えて、余すところなくお伝えします。
この記事を最後まで読めば、あなたの事業計画書は、融資審査を突破する強力な武器に変わるはずです。

この記事に関する目次

まずは全体像を把握!融資申込の基本セット

融資を申し込む際には、事業計画書以外にも様々な書類が必要になります。
特に創業融資では、ゼロからあなたの会社を評価するため、提出書類の一つひとつが重要です。

まずは、日本政策金融公庫の創業融資を例に、必要書類の基本セットを確認しておきましょう。これらを揃える過程で、事業計画書に書くべき内容も整理されていきます。

【創業資金申込時の必要書類:日本政策金融公庫の場合】
①借入申込書:融資の希望内容を記載する基本書類。
②創業計画書:事業の全体像を伝える最も重要な書類。
③履歴事項全部証明書
④定款:会社の基本情報。
⑤通帳のコピー:自己資金の証明です。担当者は通帳の入出金履歴から計画性やお金に対する姿勢(公共料金の支払い遅延などがないか)まで見ています。
⑥不動産の賃貸借契約書:事業所の実在性を証明。
⑦許認可証:許認可が必要な事業の場合、これがなければ審査の土台にすら乗れません。
⑧見積書:設備投資がある場合、資金使途の妥当性を証明します。
⑨資金繰り表:事業の血流であるお金の流れを示す重要書類。これがあると「数字に強い経営者だ」という印象を与えられます。

事業計画書には、何を書くべきか。8つの項目に分けて具体的に解説していきます。

1. 経営者の「信頼性」を示す「経歴」

銀行員が最初に見るのは、事業内容よりも「あなた自身」です。

なぜなら、事業の成功は経営者の能力と経験に大きく依存するからです。

【銀行員のホンネ】
「この人は、やろうとしている事業のプロフェッショナルか?」「困難にぶつかっても投げ出さない人物か?」あなたの経歴から事業遂行能力と継続性を判断します。

【ポイント】
・創業する事業との関連性:創業事業と同じ業界での経験や、関連するスキル(営業、マーケティング、管理職経験など)は、大きなアピールポイントです。「この人は事業をよく分かっているな」という安心感につながります。
・転職回数への対処法:転職が多いと「飽きっぽいのでは?」「スキルが浅いのでは?」と懸念されるのは事実です。その場合は、「フレンチのシェフ→イタリアンのサービス→レストランの経理」のように、「創業(レストラン経営)のために、多角的なスキルを計画的に習得してきた」というストーリーで説明できれば、むしろプラス評価に転換できます。

2. 審査担当者の心を動かす「創業動機」

なぜ、あなたがこの事業を始めたいのか。これは、事業計画書における「魂」の部分です。
銀行員が稟議書(融資の承認を得るための内部書類)を書く際、重視したのがこの創業動機でした。

【銀行員のホンネ】
「動機が強い → 困難があっても事業をやり遂げる覚悟がある → 貸したお金は返ってくる可能性が高い」。
熱意の裏にある「覚悟」を見ています。
思いつきや「儲かりそうだから」といった動機では、逆境を乗り越えられないと判断します。

【アピールポイント】
・原体験に基づくストーリー:あなた自身の経験から生まれた問題意識や使命感を語りましょう。
・社会的な意義:その事業が顧客や社会にどんな良い影響を与えるのか。
・事業への確信:なぜこの事業なら成功できると確信しているのか。

【成功事例①】飲食店開業で満額融資を獲得したAさんのケース
業種・規模 フレンチレストラン開業
融資希望額 1,000万円(日本政策金融公庫)
結果 満額融資成功

【評価されたポイント】
創業動機に、ホテルでの皿洗いから始まり、シェフとして修行を積む中で「もっと気軽に本物のフレンチを楽しんでほしい」という強い思いに至った一貫したストーリーがあった。
さらに、その思いを実現するための物件探しや市場調査を既に行っている「準備周到さ」が高く評価された。
担当者は稟議書に「強い使命感と計画性を併せ持っており、事業成功の確度が高い」と記述した。

3. 「なぜ選ばれるのか」を示す「事業の強み・セールスポイント」

競合ひしめく市場で、なぜお客様はあなたの商品・サービスを選ぶのでしょうか?
この「差別化要因」を明確に言語化できなければ、事業は成り立ちません。

【銀行員のホンネ】
「『安くて良いもの』と言うだけでは、何も言っていないのと同じ」。
具体的に「誰に」「何を」「どのように」提供し、競合とどう違うのかを知りたいのです。

【ポイント】
・独自性:「オーガニック食材専門」「子連れ歓迎の個室完備」「特定業界特化型のコンサルティング」など具体的な特徴を挙げましょう。
・既存顧客:前の職場から引き継げる顧客や、既に取引約束のある企業がいれば、これ以上ない強力なアピールになります。個人情報に配慮しつつ、リスト化して示すと効果的です。

4. 事業の「将来性」を裏付ける「市場環境・分析」

あなたの事業が、成長する市場にあり、顧客が存在することを客観的なデータで示すパートです。

ここでの緻密な分析は、あなたの「経営者としての分析能力」を示すことにも繋がります。

【失敗事例】売上計画の甘さで減額されたB社のケース
業種・規模 雑貨・アパレルのセレクトショップ(年商2,000万円)
融資希望額 500万円(追加融資)
結果 300万円に減額

【問題視されたポイント】
ECサイト強化のための追加融資希望だったが、事業計画書に「お洒落な商品を揃えれば売れる」といった抽象的な強みしか書かれていなかった。
競合の多い市場にも関わらず競合分析や市場規模のデータが皆無で「なぜ自社サイトで売れるのか」という問いに答えられなかった。
「計画が楽観的すぎる。リスク管理ができていない」と判断され、希望額から減額されてしまった。

【ポイント】
・マクロ分析:経済産業省や業界団体の統計資料を引用し、市場全体の成長性を示します。
・ミクロ分析(商圏分析):出店地周辺の人口動態、競合店の位置や特徴などを地図に落とし込み、写真も添付すると真剣さが伝わります。Googleマップでピンを立てるだけでも十分です。
・フレームワークの活用:いわゆる「4P分析」などを使い、情報を整理すると、論理的な印象を与えます。
・Product(製品・サービス):何を売るのか
・Price(価格):いくらで売るのか
・Place(販売チャネル):どこで売るのか
・Promotion(販促方法): どうやって知ってもらうのか

5. 「絵に描いた餅」で終わらせない「売上計画」

事業計画書の中で、最も担当者が厳しくチェックする項目です。
ここが曖昧だと、全ての計画が「机上の空論」だと思われてしまいます。

【銀行員のホンネ】
「売上目標1,000万円。その根拠は?」「『頑張ります』では困ります。
客単価は?客数は?営業日数は?どうやってその客数を集めるのですか?」
売上という「結果」に至るまでの「プロセス(計算式)」が見たいのです。

【ポイント】
①売上を分解する
「売上 = 客単価 × 客数 × 営業日数」のように具体的な計算式で示しましょう。

②客数の根拠を示す
・(店舗型)立地の人通り × 来店率
・(Webサービス)Web広告の表示回数 × クリック率 × 成約率
・(BtoB)ターゲット企業リスト × アプローチ数 × 商談化率 × 受注率

③実地調査が物を言う
店舗前で1時間あたりの通行量を自分で計測したり、競合店の客入りを調査したり…。
こうした「足で稼いだ情報」は計画に絶大な説得力をもたらし「この経営者は本気だ」と担当者を感動させます。

6. 「儲かる仕組み」を示す「収支計画」

売上があっても、経費がかさめば利益は出ません。
事業として成立する「儲かる仕組み」があることを証明するのが収支計画です。

【ポイント 】
①初年度は月次で作成
特に創業期は、月ごとの収支計画(損益計画)を作成し、事業が軌道に乗るまでのプロセスを具体的に示します。

②現実的な数字を
同業他社の平均値などと比較して、あまりにかけ離れた利益率(例えば原価が異常に低いなど)は、「事業を理解していない」と見なされるので注意が必要です。
日本政策金融公庫や保証協会は業種ごとの経営指標データを持っています。

③黒字化のタイミング
創業当初は赤字でも構いません。
大切なのは「いつまでに黒字転換するのか」という明確な見通しと、その根拠を示すことです。

【成功事例②】緻密な計画で追加融資を獲得したC社のケース
業種・規模 ITサービス業(年商5,000万円)
融資希望額 1,000万円(信用保証協会付融資)
結果 満額融資成功

【評価されたポイント】
新サービス開発のための追加融資。
既存事業で安定した収益を上げている実績に加え、新サービスの収支計画を「楽観・標準・悲観」の3パターンで提出した。
特に悲観シナリオでも、既存事業の利益でカバーでき、返済に支障がないことを数字で証明。
「リスク管理意識が非常に高く、計画の実現性が高い」と最大限の評価を得て、満額融資に繋がった。

7. 「何に使うか」を明確にする「資金計画(自己資金と必要資金)」

「いくら必要で、そのお金を何に使い、どうやって準備したのか」を明確にするパートです。

【ポイント】
①必要な資金(資金使途)

「設備資金(店舗の改装費、機械購入費など)」と「運転資金(仕入費、人件費、家賃など)」に分けて、それぞれ見積書などを添付して具体的に示します。
特に運転資金は、売上が入金されるまでの数ヶ月分(目安として3〜6ヶ月分)を確保しておくことが重要です。

②調達する資金(調達方法)

自己資金と借入金のバランスが重要です。創業融資では必要資金総額の1/3程度の自己資金があると審査が通りやすくなります。
コツコツ貯めてきた自己資金は、あなたの事業への「本気度」の証明なのです。

8. 「万が一」への備えを示す「リスクと対策」

どんな事業にもリスクはつきものです。順風満帆な計画だけを語る経営者より「起こりうるリスク」を直視し、その「対策」を準備している経営者の方が銀行ははるかに信頼します。

【ポイント】
①考えられるリスクを列挙する:「売上計画未達」「主要取引先の喪失」「競合の出現」など。
②具体的な対策を示す:「売上が未達の場合は、まず〇〇の経費を削減し、次に△△の販促を強化する」といったように、具体的なアクションプランを書いておきましょう。

9.これを埋めればOK!事業計画書作成チェックリスト&想定問答集

(1)事業計画書セルフチェックリスト

提出前に、以下の項目を必ず確認してください。
[ ] 経歴と、これから始める事業内容に一貫性はあるか?
[ ] 創業動機は、あなた自身の言葉で、熱意と覚悟が伝わる内容か?
[ ] 事業の「強み」は、競合と比較して具体的に示せているか?
[ ] 市場や商圏の分析に、客観的なデータや実地調査の結果は含まれているか?
[ ] 売上計画は、「客単価×客数」などの計算式で根拠を示せているか?
[ ] 収支計画は、現実的な数字で、黒字化までの道筋が見えるか?
[ ] 自己資金は十分に準備できているか?(創業融資なら1/3が目安)
[ ] 考えられるリスクとその対策を具体的に記述しているか?
[ ] 誤字脱字はないか?専門家でない人が読んでも理解できる平易な文章か?

(2)銀行面談・想定問答集

事業計画書を提出すると、必ず面談があります。

下記の質問にはスラスラ答えられるように準備しておきましょう。

Q1.「なぜ、この事業を始めようと思ったのですか?(創業動機)」

A. 創業動機で書いたストーリーを、自分の言葉で熱く語ってください。書類以上の「人柄」が伝わります。

Q2.「事業の一番の強み、他社との違いは何ですか?」

A. 事業のセールスポイントを簡潔に。「一言で言うと、私たちの強みは〇〇です。なぜなら…」と続けられるように。

Q3.「この売上計画、少し楽観的ではないですか?達成できる根拠は?」

A.売上計画の根拠となった計算式を具体的に説明してください。「この客数は、〇〇という調査に基づいています」とデータを示すのがベストです。

Q4.「もし計画通りに売上が伸びなかった場合、どうしますか?」

A.ここでリスク対策が活きます。「はい、その可能性も想定しております。その場合はまず…」と、準備していた対策プランを落ち着いて話しましょう。信頼度が格段に上がります。

Q5.「自己資金はどのようにして貯められたのですか?」

A.「この事業を始めるために、〇年前から毎月〇万円ずつ貯めてきました」など、計画性をアピールする絶好の機会です。

10.【要注意】これだけはNG!一発で審査に落ちる致命的なミス

「これはダメだ」と判断したNG行動をお伝えします。

①虚偽の記載・粉飾

言うまでもありませんが、経歴詐称や自己資金の水増しは絶対にNGです。
バレた瞬間に信用はゼロになり、二度とその銀行とは取引できません。

②テンプレートの丸写し

ネット上の雛形をそのままコピーした事業計画書は、担当者には一瞬で見抜かれます。
「他力本願で、本気度が低い」と判断されます。

③資金使途が曖昧

「事業拡大のため」といった曖昧な理由ではお金は借りられません。
「A社から〇〇という機械を××円で購入するため」と1円単位で説明できるレベルまで具体的にしましょう。

11.まとめ:融資を引き出す事業計画書の要点

(1)事業計画書は、銀行員との対話資料であり、あなたの「本気度」の証明書。
(2)「経歴」と「事業」の一貫性で、あなたという経営者の「信頼性」を示す。
(3)「創業動機」では、あなた自身の言葉でストーリーを語り、覚悟を伝える。
(4)「強み」は抽象論でなく、競合と比較した具体的な「差別化要因」を挙げる。
(5)売上や収支の「計画」は、客観的データと計算式という「根拠」で固める。
(6)「リスクと対策」を語ることで、経営者としての器の大きさを示す。
(7)「希望的観測」ではなく、「現実的な計画」こそが、銀行の信頼を勝ち取る。

12.次のアクションプラン

さあ、あとは行動あるのみです。この記事を読んだあなたが次にすべきことは3つです。

(1)日本政策金融公庫のウェブサイトから「創業計画書」のフォーマットをダウンロードしてみましょう。全体の構成がイメージできます。
(2)「チェックリスト」を片手に、あなたの事業の強みや市場について箇条書きで書き出してみましょう。
(3)ある程度考えがまとまったら、顧問税理士や地域の商工会議所など、第三者に見せて客観的な意見をもらいましょう。

融資を受けることは、ゴールではありません。
あなたの素晴らしい事業を成功させるためのスタートです。
事業計画書の作成は大変な作業ですが、あなたの事業の根幹を見つめ直す、またとない機会でもあります。
あなたの熱意と覚悟が詰まった計画書が融資担当者の心を動かすことを心から応援しています。

融資のプロ!元銀行員が融資獲得までサポートします!

資金繰りが厳しく、資金調達の準備が必要、自社に合った融資制度を知りたい、
手続きが難しそうで進める自信がないなど

今獲得できる融資額が知りたい
資金調達診断フォーム
今すぐ専門家へ相談したい
無料相談フォーム
融資のプロ!
元銀行員が融資獲得まで
サポートします!
  • 資金繰りが厳しく、資金調達の準備をしなければ心配。
  • 自分に合った融資制度を知りたい。
  • 手続きはが難しそうで、自分ではなかなか進められない。
今獲得できる融資額が知りたい
資金調達診断フォーム
今すぐ専門家へ相談したい
無料相談フォーム
融資のプロ!
元銀行員が融資獲得まで
サポートします!
  • 資金繰りが厳しく、資金調達の準備をしなければ心配。
  • 自分に合った融資制度を知りたい。
  • 手続きはが難しそうで、自分ではなかなか進められない。
今獲得できる融資額が知りたい
資金調達診断フォーム
今すぐ専門家へ相談したい
無料相談フォーム
元銀行員が融資獲得までサポートします!
今獲得できる融資額が知りたい
資金調達診断フォーム
今すぐ専門家へ相談したい
無料相談フォーム
ページトップへ