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リスケジュールは最後の切り札?そのメリット・デメリットと交渉のコツ

「もうこれ以上、返済のお金が用意できない…」
「資金繰りのことを考えると、夜も眠れない…」
「リスケ(返済条件の変更)をしたら、もう会社は終わりなんじゃないか…」
出口の見えない資金繰りのトンネルの中で、多くの経営者様が孤独な戦いを強いられています。
リスケジュールは確かに会社の危機を示すサインですが、決して「終わり」を意味するものではありません。
この記事を読めば、リスケが会社を救う「劇薬」となり得る理由とその正しい使い方、銀行との交渉術が分かり再起へ向かう一歩を踏み出せます。

1.リスケジュールとは何か?元銀行員が語るその「本当の意味」

リスケジュールとは、単なる「返済のお休み」ではありません。
これは、「金融機関と経営者がタッグを組んで行う会社の集中治療」の始まりを意味します。
返済額を一時的に減額、あるいはゼロ(金利のみの支払い)にすることで、会社は息を吹き返し、経営者は事業の立て直しに専念する時間を得るのです。
銀行内部ではリスケジュールを行った企業を「要注意先」として管理します。
当然、追加融資は原則停止となります。
しかし、返済が滞って銀行との連絡を絶ってしまうより、誠実に窮状を訴え、共に再建を目指す方が、はるかに未来があります。
リスケは信頼関係を繋ぎとめるための最後の手段なのです。

2.本当に今がその時か?リスケを検討すべき「3つの崖っぷちサイン」

リスケジュールは劇薬ですから、使うタイミングが極めて重要です。
安易なリスケは会社の寿命を縮めるだけです。
以下の3つのサインが見えた時、初めてリスケを真剣に検討すべき段階に入ります。

(1)あらゆる資金調達手段が尽きた時

リスケジュールは最後の手段です。
その前に、借換による返済負担の軽減や信用保証協会付きの新たな融資など、打てる手は全て打ちましたか?
銀行に「これ以上の新規融資も借換もできません」と明確に告げられた時が最初のサインです。

(2)1〜2ヶ月以内に資金ショートが確実に見えている時

資金繰り表を作成し、月末の残高がマイナスになることが確実になった時です。
給与や仕入代金の支払いができなくなる前に手を打たなければなりません。

(3)経営者の心身が限界に達した時

お金の心配で眠れない、食事が喉を通らない、正常な経営判断ができなくなっている。
そんな時は社長自身が倒れてしまう前に、一時的にでも返済のプレッシャーから解放されるべきです。
会社にとって最大の資産は社長自身の健康なのですから。

3.【事例で学ぶ】リスケジュールの天国と地獄

リスケはその進め方次第で会社を救うこともあれば、破滅に導くこともあります。

【成功事例①】V字回復を果たした印刷業A社(年商8,000万円)
状況 主要取引先の倒産で売掛金が焦げ付き資金繰りが急激に悪化。1ヶ月後には資金ショートする状況だった。
希望 半年間の元金返済停止
結果 リスケジュールに成功。半年間で新規顧客の開拓に成功し、6ヶ月後には減額した返済を再開。2年後には正常返済に戻った。
【評価されたポイント】 ①資金ショートが確実になる前に、誠実に全取引銀行へ状況を報告した。
②実現可能性の高い経営改善計画書(最新の試算表、資金繰り表で現状を説明。リスケジュールを相談に至った原因やその解消のための新規開拓の具体的なターゲットリストや行動計画)を提出し再建への強い意志を示した。
③リスケ期間中も毎月試算表と活動報告書を銀行に提出し、約束を守る姿勢を貫いた。

《融資の視点》
A社の勝因は「誠実さ」と「計画性」です。
銀行は窮地に陥った原因よりも、そこからどう立ち直ろうとしているかを見ています。
約束を守り進捗をこまめに報告する姿勢が「この社長なら応援できる」という信頼を勝ち取ったのです。

【成功事例②】事業承継に繋げた老舗旅館B社(年商1.2億円)
状況 経営者の高齢化と後継者不在により事業継続が困難に。多額の借入返済が重荷となっていた。
希望 1年間の返済額半減
結果 全行協調でのリスケに成功。身軽になったことで同業他社への事業譲渡(M&A)交渉がまとまり、従業員の雇用を守りながら円満に引退できた。
【評価されたポイント】 ①最初から「事業譲渡によるソフトランディング」という明確な出口戦略を示した。
②1行だけを優遇することなく全取引銀行に平等に情報開示し協力を仰いだ。

《融資の視点》
リスケは必ずしもV字回復だけがゴールではありません。
B社のように、事業を次世代に繋ぐための「時間稼ぎ」として活用することも立派な経営判断です。
透明性の高い情報開示が、銀行団の協力を得るための鍵でした。

【失敗事例】信頼を失い破綻した運送業C社(年商5,000万円)
状況 燃料費高騰で赤字が続いていたが、銀行に報告せず放置。返済日当日になって、一方的に「今月は払えない」と連絡。また、緊急的に融資がないと手形が不渡りになる可能性があると暗に金融機関に融資を求める対応。
結果 銀行との信頼関係が崩壊。リスケジュールに対する取引銀行の対応がまとまらず、融資支援も得られず手形が不渡りとなり倒産。
【問題視されたポイント】 ①ギリギリまで問題を隠蔽し、不誠実な対応に終始した。
②銀行から求められた経営改善計画書の提出を先延ばしにし、提出された計画も数字の裏付けがない精神論ばかりだった。

《融資の視点》
C社の悲劇は、取引銀行なら「いざとなれば何とかしてくれる」と思ってしまったことにあります。
銀行は、共に問題を解決するパートナーです。
そのパートナーを裏切り、コミュニケーションを怠れば、手を差し伸べたくても差し伸べられません。
最悪の結末の典型例です。

4.リスケジュール交渉を成功させる「4つの神器」

リスケ交渉は丸腰で臨んではいけません。
あなたの本気度と再建計画を示す最低限の「神器」が必要です。

神器 なぜ必要か?
①経営改善計画書 【最重要】「なぜ窮地に陥ったのか(原因分析)」「どう立て直すのか(改善策)」「いつ正常に戻れるのか(数値目標)」を示す、未来への設計図。
② 資金繰り表 会社の血液の流れを示すもの。現状の厳しさと、リスケによってどう息を吹き返すのかを客観的に証明する。
③ 借入返済予定表 全ての借入状況を一覧にしたもの。情報を隠していないという「誠実さ」の証。
④ 最新の試算表 自社の現状を正確に把握しているという、経営者としての当事者意識を示す

5.経営改善計画書の記載例(骨子)

難しく考える必要はありません。まずはA4一枚に以下の項目を書き出してみましょう。

(1)窮境原因の分析

(例)・外的要因:コロナ禍による主要取引先の受注減。
・内的要因:特定取引先への依存度が高すぎた経営判断の甘さ。

(2)具体的な改善策

(例)・売上向上策:新規Webサイト開設による問い合わせ増。
・経費削減策:役員報酬1年間30%カット。

(3)数値計画

(例)・売上目標:〇〇円
・営業利益目標:△△円。
※詳細な損益計画(前期実績、当期見込、リスケジュール開始後1年(翌期))が必要になります。

(4)返済計画

(例)当初1年間は元金返済ゼロ(利息のみ)、その後、フリーキャッシュフローの60%を融資残高シェアによるプロラタ返済。
〇年〇月より正常返済に復帰予定。

(5)経営者責任

リスケジュールをお願いする上で経営者にも覚悟が必要です。その為、リスケジュールをお願いする場合、役員報酬の減額(=経費削減)を経営者責任とするのが一般的です。
経営者にも生活があるので削減が絶対とは言えず、また、削減率や削減額についても一概には言えませんが、経営者責任を明確にすることで、一般的に金融機関に対してリスケジュールの申し出が受け入れられ易い傾向にあります。

6.リスケジュールに対する銀行の一般的な対応

資金繰りが厳しい中でのご対応、心よりお察しいたします。
銀行へリスケジュール(返済条件変更)を申し出た後、承認されて実行に至るまでの一般的な流れは以下の通りです。
通常、最初の相談から実行までは1ヶ月〜2ヶ月程度かかることが一般的です。

(1)ヒアリング・現状報告

まずは支店の担当者や融資課長に「返済が厳しい」旨を伝え、面談を行います。ここで以下の点を聞かれます。
①なぜ資金繰りが悪化したのか(原因)
②いつ資金が尽きる見込みか(緊急度)
③今後どうやって立て直すつもりか(改善の見込み)

なお、リスケジュールを即時(例えば元本返済をストップ)実行する場合は、元本返済を実務的にストップ(引き落とし口座残高を少なくし、返済ができなくする)しておかなければなりません。
この場合、その旨を必ず銀行に相談してから行うようにしてください。また、元本返済が行われない時点から期流れ延滞といって延滞利息が通常利息の他に必要になるので注意が必要です。
また、全行同じような状況で対応することも必要です。1行でも元本の返済が行われてしまうと他行との間で返済をストップした時点での借入残高が不平等になってしまい協調体制の調整に時間がかかる可能性があります。(あくまで、返済をストップした時点を各行平等に合わせることが必要だとの認識をお持ちください。)

(2)必要書類の提出

銀行から審査に必要な書類の提出を求められます。これらを元に、銀行は「リスケに応じるべきか」を判断します。
①直近の試算表(最新のもの)
②資金繰り表(直近の実績と、向こう6ヶ月〜1年の予測)
③金融機関別の借入残高一覧表(他行の借入状況)
④経営改善計画書(簡易なものでも、どのように黒字化・返済再開を目指すかの根拠が必要)

(3)銀行内部での審査(稟議)

①提出書類を元に、銀行内部で審査(稟議)が行われます。
②支店レベルだけでなく、多くの場合、本部の承認が必要になります。
③この期間中、銀行から計画書の修正や追加資料を求められることがよくあります。また、他行のリスケジュールへの対応状況のヒアリングもよくあります。

(4)信用保証協会との協議(保証付き融資がある場合)

日本の中小企業の多くは信用保証協会の保証付き融資を利用しています。
①銀行は信用保証協会に対し「条件変更申請」を行います。
②「信用保証協会が承諾すれば銀行も承諾する」というケースが大半ですので、保証協会の審査が最大の山場となります。
③必要に応じて、保証協会の担当者と直接面談することもあります。

(5) 全金融機関の合意(他行がある場合)

①複数の銀行から借り入れがある場合、原則としてすべての銀行に対して同時にリスケを依頼し足並みを揃える(協調融資)必要があります。
②「A銀行は元金ゼロ、B銀行は元金半分」といった不公平は認められず、残高に応じた平等な対応(プロラタ)が求められます。
③メインバンクが主導して他行の合意を取りまとめるのが一般的です。

(6)変更契約の締結・実行

すべての審査が通り、関係機関の合意が得られたら、契約手続きに入ります。
①「金銭消費貸借変更契約証書」などに署名・捺印します。
②事務手数料や印紙代、信用保証協会付きの場合、信用保証料が必要になります。また、金利が引き上げられるケース(相談)がありますが、他行との協調上、金利引き上げ等に対応することは厳しい旨を伝えておきましょう。
※リスケジュールに伴い新たに信用保証料が発生する事があります。資金繰りが厳しい時の信用保証料は想定外かもしれませんので注意が必要です。
③手続き完了後、翌月の返済分から新しい条件(元金返済の停止や減額など)が適用されます。

(7)注意点

①新規融資の停止:リスケジュール期間中は、原則として新規の融資は受けられなくなります。
②誠実な対応:隠し事をせず、資料は期限通りに出すことは審査をスムーズに進める鍵です。

リスケジュールをする場合、準備等が大変かと思いますが、まずは資金ショートを回避することが最優先ですので早めにメインバンクへご相談されることをお勧めします。

7.具体的な銀行のリスケジュールに対する対応

取引金融機関にリスケジュール(例えば元本返済猶予期間1年間を依頼した場合)の依頼をすると下記のような対応になることが一般的です。

(1)対応範囲
元本猶予期間1年間を依頼した場合、金融機関からは「現時点で可能な対応は1年間の元金返済猶予のみです。業績改善の進捗を確認するため完済までの長期契約ではなく期間を区切って検討が行われます。」との回答があることが多いです。

(2)変更内容の詳細
猶予期間中に期日が到来するものは期間終了時に一括返済へ変更し、それ以降のものは元金均等返済に変更されます。

(3)今後の協議について
猶予期間終了を目途に、その後の返済方法を改めて協議されます。通常は金融機関に提示した計画に合わせて猶予期間の延長(保証協会の上限期間内)を検討することになる可能性が高いです。

(4)返済再開時の決定方法
実際に返済を再開する際は、その時点での業績やキャッシュフローに基づき返済可能な総額を定めた上でプロラタ按分が検討されます。

8.まとめ:リスケは終わりではない、再起への始まりだ

(1)リスケは「集中治療」の始まり。安易に頼らず、借換などの手を尽くした後の最後の切り札と考えましょう。
(2)資金ショートが目前に迫り、経営者の心身が限界に達した時が、検討すべきタイミングです。
(3)成功の鍵は「誠実さ」と「計画性」。決して銀行とのコミュニケーションを絶やしてはいけません。
(4)「経営改善計画書」は未来への約束手形。実現可能な計画を自分の言葉で熱意をもって語りましょう。
(5)リスケジュール期間中の新規融資は絶望的になるなどデメリットも正確に理解した上で決断してください。
(6)リスケジュールはゴールではなく、事業再生へのスタートラインです。
(7)金融機関とのリスケジュールの交渉が上手くいかない場合、金融庁の「金融サービス利用者相談室」や全銀協の「全国銀行協会相談室」に相談されてみることも良いかもしれません。

資金繰りの悩みは、経営者にとって辛いものです。
しかし、一人で抱え込まないでください。
正しい知識と誠実な姿勢があれば、銀行はあなたの再起を応援するパートナーになってくれます。
諦めずに、前を向いて一歩を踏み出しましょう。

9.次のアクションプラン

この記事を読んで「資金繰りが厳しいが、まだやれることがあるかもしれない」と感じた社長様、その気持ちが大切です。
今日から以下の3つのアクションを始めてみてください。

(1)直近3ヶ月分の資金の出入りを洗い出し、簡単な「資金繰り表」を作成して、資金が底をつく時期を具体的に把握する。
(2)本記事の「経営改善計画書の記載例」を参考に、窮境の原因と、考えうる対策をA4一枚の紙に書き出してみる。
(3)書き出した紙を持って顧問税理士に「今後の資金繰りについて、第三者の視点でアドバイスが欲しい」と相談する。






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