元銀行員が明かす「融資に頼らない」資金調達の裏ワザ!会社の資産をキャッシュに変える方法

「銀行融資の審査が厳しくて、先が見えない…」「借入を増やさずに、手元の現金を増やしたい!」そんなお悩みを抱える経営者様は必見です。
実は、資金調達の方法は銀行からの借入だけではありません。
「返済不要」の資金を生み出す具体的な選択肢を解説します。
会社の眠っている資産をキャッシュに変える方法から、国からもらえるお金(補助金)の賢い活用法まで借入だけに頼らない、強い財務体質を作るための実践的ノウハウをお届けします。
この記事に関する目次
はじめに:なぜ「融資以外の選択肢」を知ることが重要なのか?
融資の現場にいて痛感したのは、多くの経営者様が「資金調達=銀行からの借入」という一本道しか見ていないという現実でした。
もちろん、銀行融資は事業成長の力強いエンジンです。
しかし、会社の状況によっては、融資が最適解ではないケースも多々あります。
・赤字が続いていて、これ以上借入を増やすと財務バランスが崩れてしまう・・・
・創業間もなく、まだ実績がなくて融資の土俵に上がれない・・・
・急な大口受注で、融資の審査を待っている時間がない!
こんな時「何とかしてあげたいが、融資という形では難しい…」と、歯がゆい思いをすることがありました。
しかし、本当に打つ手がないわけではありません。
資金調達の世界はもっと広く、奥深いのです。
借入だけに頼らず、会社の体力を強化しながら資金を生み出す「融資以外の選択肢」について銀行員がどう見ているかも含め解説していきます。
1.【会社の資産をキャッシュに変える】アセットファイナンスという選択肢
「アセットファイナンス」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、要は「会社が持っている資産を売却(または担保に)して資金を調達する方法」です。
借入ではないので、原則として返済義務がないのが最大の魅力です。
銀行員から見ると、アセットファイナンスは「経営者の財務改善への本気度」を見る指標にもなります。
不要な資産を売却して借入を圧縮する姿勢は、次の融資審査で極めて高く評価されるのです。
(1)遊休不動産・設備の売却:持っているだけの「お荷物」を現金化する
あなたの会社に、使っていない土地や、昔の工場、稼働率の低い古い機械はありませんか?
それらは、貸借対照表上は「資産」かもしれませんが、固定資産税や維持費だけがかかる「キャッシュを生み出さない負債」と同じです。
思い切って売却し、得た資金で借入金を返済すれば、財務体質は一気に改善します。
・支払利息が減る → 利益が増える
・借入残高が減る → 自己資本比率が上がる
・銀行の格付けが向上し、次の融資が受けやすくなる(金利も下がるかも!)
【事例:印刷業C社のケース】
C社は、先代から受け継いだ郊外の古い倉庫を持っていましたが、全く使っておらず、固定資産税が毎年負担になっていました。
そこで、倉庫を売却して3,000万円のキャッシュを確保。その資金で短期借入金2,000万円を返済し、残り1,000万円を運転資金に充当しました。
結果、財務諸表が劇的に改善し、翌年の新たな設備投資融資が非常にスムーズに承認されました。
(2)リースバック:本社や工場を「使いながら」現金化する裏ワザ
「事業に必要な本社ビルや工場を売却するわけにはいかない…でも、まとまった資金が今すぐ必要だ!」
こんなジレンマを解決するのが「セールス&リースバック」です。
これは、保有する不動産をリース会社などに一度売却し、同時に賃貸借契約(リース契約)を結ぶことで売却後もそのまま使い続けられるという手法です。
【銀行員から見たリースバックの注意点】
非常に便利な手法ですが、注意点もあります。私たちは必ず「毎月のリース料(賃料)は、会社の収益力で十分に支払える範囲か?」をチェックします。
売却で一時的にキャッシュを得ても、高いリース料が資金繰りを圧迫しては本末転倒だからです。利用する際は、複数のリース会社から見積もりを取り、長期的なコストを慎重にシミュレーションしましょう。
2.【国からもらえるお金】補助金・支援金を融資の“呼び水”にする方法
国や自治体が提供する補助金・支援金は、言わずと知れた「返済不要」のありがたい資金です。
しかし、その本当の価値は、単にお金がもらえることだけではありません。
銀行員の視点から見ると、補助金の採択には2つの大きな意味があります。
(1)事業計画の「お墨付き」になる
補助金の審査は非常に厳格です。
その厳しい審査を通過したということは「専門家が、その事業の新規性や成長性を認めた」という客観的な証明になります。
これは、融資の稟議書に書ける、非常に強力なプラス材料です。
(2)自己資金を補い、融資を受けやすくする
例えば、3,000万円の設備投資をしたい場合、全額を融資で賄うのは困難です。
「ものづくり補助金」で1,000万円が採択されれば、自己資金が補強され銀行は残りの2,000万円を安心して融資しやすくなります。
【銀行員への賢い相談の仕方】
補助金は、申請から入金まで数ヶ月~1年かかることもあります。ここで「つなぎ融資」が必要になります。
「〇〇補助金が採択されました。入金までの半年間、運転資金として〇〇万円のつなぎ融資をお願いできませんか?」
この相談は、銀行にとって大歓迎です。
なぜなら、返済原資(補助金の入金)がほぼ確定している極めて安全な融資だからです。
補助金の採択通知書は、最強の交渉カードになるのです。
【代表的な補助金】
・ものづくり補助金:新しい機械を導入して生産性を上げたい製造業などに最適。
・IT導入補助金:会計ソフトや顧客管理システムを導入し、業務効率化を図りたい企業に。
・小規模事業者持続化補助金:新しいチラシやホームページを作って販路を広げたい小規模事業者の強い味方。
・新事業進出補助金:既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援
・省力化投資補助金:中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするため、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を導入をサポート
3.【会社の未来を創る資金調達】IPOとM&Aという選択肢
多くの中小企業にとっては少し遠い未来の話かもしれませんが、会社の成長戦略を描く上で、知っておいて損はない選択肢です。
(1)株式上場(IPO):究極の資金調達と信用の獲得
株式上場(IPO)は、多額の資金調達が可能になるだけでなく「上場企業」という社会的な信用力と知名度が手に入ります。
これにより、優秀な人材の採用や、大手企業との取引が格段に有利になります。
銀行員の立場から言えば、「将来的にIPOを目指しています」という経営者のビジョンは、非常にポジティブに映ります。
なぜなら、上場を目指す過程で、社内の管理体制やコンプライアンス意識が飛躍的に向上することが期待できるからです。
それは、融資先としてこの上なく信頼できる会社になることを意味します。
(2)M&A:事業承継と成長戦略の切り札
M&A(企業の合併・買収)は、資金調達の文脈では「会社を売却して創業者利益を得る」というイメージが強いかもしれません。
しかし、後継者不在に悩む中小企業にとっては、事業と従業員の雇用を守るための、非常に有効な「事業承継」の手段でもあります。
また、買い手側の視点に立てば、M&Aは自社にない技術や販路を一気に獲得するための強力な成長戦略です。
そのための買収資金の融資相談は、銀行が最も積極的に取り組む分野の一つです。
「このM&Aによって、当社の企業価値はこう高まります」という明確なビジョンを示せれば、銀行は強力なパートナーとなってくれるでしょう。
【まとめ】資金調達の選択肢を広げ、盤石な経営基盤を築こう
資金調達の方法は、銀行からの借入だけではありません。
(1)守りの資金調達:不要な資産を売却して財務をスリム化する「アセットファイナンス」
(2)攻めの資金調達:国の支援を得て成長投資を行う「補助金」
(3)未来の資金調達:会社の価値を最大化する「IPO」や「M&A」
重要なのは、これらの選択肢を「知っている」だけでなく、自社の経営状況や成長ステージに合わせて「どう組み合わせるか?」という戦略的な視点を持つことです。
「どの方法が自社に合っているか分からない…」
そう感じたら、ぜひ一度、あなたの会社のことを一番よく知るメインバンクの担当者に相談してみてください。
「融資の相談」ではなく「会社の将来のための資金戦略の相談」として話を持ち掛ければ、融資以外の選択肢も含めて、あなたの会社の最強の相談相手になってくれるはずです。
借入だけに依存しない多様な資金調達の引き出しを持つこと。それこそが、変化の激しい時代を乗り越える、盤石な経営基盤の証となるのです。
資金繰りが厳しく、資金調達の準備が必要、自社に合った融資制度を知りたい、
手続きが難しそうで進める自信がないなど
元銀行員が融資獲得まで
サポートします!
- 資金繰りが厳しく、資金調達の準備をしなければ心配。
- 自分に合った融資制度を知りたい。
- 手続きはが難しそうで、自分ではなかなか進められない。
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