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その「定期積金」、将来の融資を左右する一手かも?資金繰りを強くする信用金庫との関係構築術

「社長、将来のために定期積金でも始めませんか?」
信用金庫の担当者から、こんな風に熱心に勧められた経験はありませんか?
「付き合いで始めた方がいいのか…」「でも、手元の資金は減らしたくない…」「そもそも、これって本当に融資の役に立つのか?」と、判断に迷っている社長も多いのではないでしょうか。
信用金庫の定期積金は、正しく付き合えば将来の融資審査において強力な武器になります。
この記事では、単なる制度の解説ではありません。
なぜ彼らが熱心に勧めてくるのかという裏側の事情から、融資審査で具体的にどう有利に働くのか、そして失敗しないための実践的なノウハウまでお話しします。
この記事を読めば、あなたは担当者の言いなりになることなく、会社の未来のために「定期積金」を戦略的に活用できるようになるはずです。

1.なぜ信用金庫は熱心に「定期積金」を勧めてくるのか?

まず、彼らの本音を知ることから始めましょう。
担当者が熱心なのは、もちろんあなたの会社のためを思って、という側面もあります。
しかし、それだけではありません。
そこには主に3つの理由があります。

(1)融資の原資となる「預金」が欲しいから

信用金庫は、皆さんからお預かりした預金を元手にして、他の企業に融資をしています。
当然、安定した融資を行うためには、安定した預金が必要です。
特に定期積金は、毎月決まった額が自動的に入ってくるため、彼らにとっては非常にありがたい「安定財源」なのです。

(2)あなたとの「接点」を増やしたいから

担当者にとって、用事もなく会社を訪問するのは気が引けるものです。
しかし、「積金が満期になりました」「積金の集金で来ました」(現状は口座からの積金への自動振替が一般的です)というのは訪問口実になります。
定期的に顔を合わせることで、あなたの会社の状況を把握し、将来の融資案件や他の金融サービスにつなげたいという狙いがあるのです。

(3)「ノルマ」があるから

これも紛れもない事実です。
金融機関の職員には、預金や積金の獲得目標、いわゆるノルマが課せられています。
あなたの会社の成長を願う気持ちと、自身の営業目標を達成したい気持ち、その両方からあなたにアプローチしているのです。

2.メリット・デメリットを天秤に!本当にやるべきか冷静に判断しよう

担当者の事情は分かりました。
では、経営者であるあなたにとって、本当にメリットはあるのでしょうか?
冷静に天秤にかけてみましょう。

メリット(将来への投資) デメリット(目先の制約)
① 融資審査 将来の融資審査で有利になる(返済能力のアピール) 急な資金需要に対応しにくい(資金の固定化)
② 金利 融資金利の優遇を受けられる可能性がある 預金金利は極めて低い(資金運用の非効率)
③ 信用 担当者との信頼関係が深まる 身の丈に合わないと資金繰りを圧迫する

【注意】最大のデメリットは「資金の固定化」

デメリットで最も注意すべきは「資金の固定化」です。
手元の運転資金が潤沢でないのに、担当者に言われるがまま高額な積金を始めてしまうと、急な支払いが発生した際に対応できず、かえって資金繰りを悪化させる本末転倒な事態に陥ります。
あくまで「無理のない範囲で」というのが大原則です。

3.【元銀行員が暴露】定期積金が融資審査で「効く」本当の理由

「定期積金が融資に有利なのは分かったけど、具体的にどう効くの?」
理由は、「返済能力」という目に見えないものを、雄弁に証明してくれるからです。

理由1:稟議書に書ける「魔法の一行」になる

融資の稟議書を作成する際、担当者はあなたの会社の財務状況を分析し、「この会社はきちんと返済してくれる」という証拠を積み上げていきます。その時、

「毎月〇万円の積立実績を〇年間継続中。約定履行に対する意識は高い。」

この一行が書けるかどうかで、稟議の説得力が全く変わってきます。
これは、単に預金残高が多いことよりも、「毎月コツコツと約束を守れる」という経営姿勢の証明として、審査する上司や保証協会に対して非常にポジティブな印象を与えるのです。

理由2:最高の「返済シミュレーション」になる

考えてみてください。例えば、あなたが毎月5万円の積金を滞りなく続けているとします。
これは、「この会社は、毎月5万円のキャッシュアウトに耐えられる体力がある」という何よりの証拠です。
将来、5万円の月額返済の融資を申し込んだ際、担当者は「積金で実績はありますから、返済は問題ないでしょう」と判断しやすくなります。
逆に言えば、積金すら続けられない状況では、同額の返済は難しいと見なされても仕方ありません。
そう、定期積金は、未来の借入返済に向けた最高の予行演習なのです。
金額の大小は問題ではありません。たとえ月1万円でも「継続している」という事実が重要なのです。

4.融資の明暗を分けた!定期積金にまつわるリアルな成功・失敗事例

私が実際に見てきた、定期積金を巡る企業のリアルな事例を3つご紹介します。
どこで明暗が分かれたのか、ご自身の状況と重ねてみてください。

成功事例①:月3万円が命綱になった飲食店A社(従業員5名)
状況 コロナ以降、売上が8割減。運転資金が枯渇寸前に
取り組み 2年前から、信金の担当者に勧められ、月3万円の定期積金を継続していた。
融資希望額 500万円(運転資金)
結果 満額・スピーディーに融資実行。
評価されたポイント 決算書は火の車でしたが、担当者が「A社長は苦しい中でも、この積金だけは一度も止めませんでした。約束を守る方です」と強く推薦してくれました。「平時に誠実な会社は、有事にも信頼できる」と判断されたケースです。
成功事例②:計画性が認められた金属加工業B社(従業員15名)
状況 新しい工作機械の導入を計画。自己資金を貯める目的で、3年前から月10万円の積金を開始。
取り組み 融資相談の際に、積金と連動させた事業計画書を提出
融資希望額  2,000万円(設備資金)
結果 1,800万円の融資実行。
評価されたポイント 定期積金を単なる貯金ではなく「設備投資に向けた計画的な自己資金形成の一環」と位置づけアピールできた点。経営者の計画性が高く評価され、高額融資につながりました。
失敗事例:担当者の言いなりで資金繰りが悪化したIT企業C社(従業員10名)
状況 業績は好調。信金の担当者から「もっと会社の信用力を上げるために」と勧められ、月30万円の高額な積金を開始。
取り組み その直後、大型案件の受注で多額の立て替え資金が必要に。しかし、手元資金は積金で固定化されており、支払いに窮してしまった。
結果 黒字なのに倒産の危機に。積金を解約して急場をしのいだが、信金との関係も気まずくなった。
問題視されたポイント 会社のキャッシュフローを無視し、担当者のセールストークに安易に乗ってしまった経営判断の甘さ。積金はあくまで余裕資金で行うべき、という鉄則を破った典型的な失敗例です。

5.担当者との交渉もこれで万全!定期積金Q&A

経営者が抱きがちな疑問に、元銀行員の視点からお答えします。

Q1. いくらから始めれば融資に効果がありますか?

A1.金額よりも「継続」が重要です。
見栄を張って高額にする必要は全くありません。
月1万円でも、1年以上続ければ立派な実績です。
まずは「これなら絶対に続けられる」という無理のない金額から始めましょう。

Q2. 正直、今は厳しいです。断ったら今後の融資で不利になりますか?

A2.きちんと理由を説明すれば、不利になることはありません。
最悪なのは、曖昧な返事をしたり、無視したりすることです。
「お話は大変ありがたいのですが、今は新規事業への投資を優先しており、手元資金を確保したいと考えています。
事業が軌道に乗りましたら、改めてこちらからご相談させてください」
このように、前向きな姿勢と明確な理由を伝えれば、担当者も納得してくれます。

Q3. ネット銀行の方が金利も高いし、そっちに預けるのではダメですか?

A3. 資金運用の効率だけを考えれば、その通りです。
しかし、信用金庫への定期積金は金利以上の「信用」という無形資産を積み立てるための戦略的投資と捉えてください。
いざという時に助けてくれる関係性を築くための「保険料」と考えることもできるでしょう。

6.まとめ:小さな積み重ねが、未来の資金繰りを救う

(1)信用金庫の定期積金は、担当者のノルマ達成という側面もあるが経営者にとっても将来の融資に繋がる戦略的ツールである。
(2)融資審査で有利になる最大の理由は、「毎月約束を守れる」という返済能力と誠実な経営姿勢を証明できるから。
(3)金額の大小よりも「継続している」という事実が重要。月1万円でも立派な実績になる。
(4)最大のデメリットは「資金の固定化」。必ず余裕資金の範囲内で行い、本業の資金繰りを圧迫しないこと。
(5)断る場合は、理由を明確に伝え、前向きな姿勢を示すことが関係維持のコツ。
(6)定期積金は単なる貯金ではない。未来の融資のための「信用」を積み立てる投資と考えるべき。

7.さあ、次の一歩へ!今すぐやるべき3つのアクションプラン

「なるほど、うちも少し始めてみようか」と感じた社長、その感覚は正しいです。
ぜひ、すぐに行動に移しましょう。

(1)自社のキャッシュフローを再確認する。
まずは、毎月の資金繰り表を見て、「これなら無理なく確実に続けられる」という金額(例:月1万〜3万円)を算出してください。

(2)信用金庫の担当者に「相談」を持ちかける。
「将来の事業拡大に向けて融資も考えているのですが、信用のために積金を始めようかと思いまして…」と、あなたから相談を持ちかけてみましょう。
受け身ではなく、主体的に動く姿勢が好印象を与えます。

(3)積立の目的を明確にする。
「3年後の設備投資の自己資金の一部」「納税資金の確保」など、目的を明確にして始めましょう。
目的が明確であれば、担当者もより具体的なサポートがしやすくなります。

信用金庫との付き合いは、日々の小さなコミュニケーションの積み重ねです。
定期積金は、そのための絶好のツールです。うまく活用して、いざという時に頼れる強固な関係を築いていってください。






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