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「無借金=健全」は幻想。黒字倒産を避けるための運転資金の計算方法と銀行との賢い付き合い方

社長、「うちは無借金経営です」と胸を張って言えることを、一つの誇りに感じていませんか?
借金はないに越したことはない、それは確かに一つの真理です。
しかし、その「無借金経営」という聖域が、実は会社の成長を妨げ、いざという時に命綱を断つリスクをはらんでいるとしたら…?
この記事では、その不都合な真実と、会社の成長に不可欠な「運転資金」の正しい考え方、そして銀行と上手に付き合い、未来を切り拓くための「攻めの財務戦略」を解説します。

1.銀行が「付き合いのない無借金会社」をどう見ているか

銀行員の本音をお話しします。
ある日突然、今まで全く取引のなかった無借金経営の会社が「業績が悪化したので助けてほしい」と駆け込んできてもすぐには動けません。
なぜなら、その会社が過去にきちんと返済してきた実績(=クレジット)が全くないからです。
融資とは「信頼関係」の証です。
定期的に融資を申し込み、事業計画通りに利益を上げ、きちんと返済してくれる会社こそが銀行にとっての「優良な取引先」であり、いざという時にも「何とかして支えたい」と思えるパートナーなのです。
無借金経営は、この信頼関係を築く機会を自ら放棄している状態とも言えるのです。

【失敗事例】無借金にこだわった建設業C社の悲劇
状況 年商2億円の建設業C社。社長は「借金は悪」という信念のもと、20年間無借金経営を貫いてきた。しかし、大型案件の受注で材料費の立て替えが数千万円発生。手元資金が枯渇し黒字にも関わらず従業員の給与支払いが遅延する「黒字倒産」の危機に。
希望額 運転資金として3,000万円
結果 融資謝絶(お断り)
【問題視されたポイント】
①取引実績の欠如 メインバンクにも関わらず融資取引が一切なかったため、銀行側がC社の返済能力を判断する材料を持っていなかった。
②突然の依頼 業績好調時には見向きもしなかったのに、困った時だけ「助けてくれ」という姿勢が銀行に不信感を与えてしまった。
③審査時間の不足 融資審査には時間がかかり資金ショート寸前での申し込みでは到底間に合わなかった。

2.会社を成長させる「運転資金」とは?2つの種類と正しい考え方

では、なぜ借入が必要になるのか。その答えが「運転資金」です。
運転資金とは、事業というエンジンを回し続けるための「ガソリン」です。
これを理解することが、攻めの経営の第一歩です。

(1)経常運転資金:事業の血液。売上が増えるほど必要になるお金

商品・サービスを提供してから、その代金が入金されるまでには時間がかかります。
この間の仕入代金や経費の「立て替え」に必要なお金が経常運転資金です。
重要なのは売上が伸びれば伸びるほど、この立て替え額も増えていくということ。
つまり、成長企業にとって経常運転資金の確保は宿命なのです。

 (2)増加運転資金:チャンスを掴むための軍資金

季節的な需要増(年末商戦など)や、大型案件の受注といった一時的に発生する資金需要に対応するためのお金です。
このチャンスを「手元資金がないから」と見送るのは、非常にもったいない。
適切な借入は、成長のアクセルを踏むための軍資金になります。

3.銀行を100%納得させる!経常運転資金の計算方法

「運転資金が必要なのは分かった。で、いくら必要なんだ?」
この問いに、論理的に答えるための式があります。決算書をご用意ください。

・経常運転資金 = ①売上債権 + ②棚卸資産 - ③仕入債務

項目 決算書のどこにある? 平たく言うと?
① 売上債権 貸借対照表の「売掛金」「受取手形」など まだ回収できていない売上
② 棚卸資産 貸借対照表の「商品」「製品」「原材料」など 在庫として眠っているお金
③ 仕入債務 貸借対照表の「買掛金」「支払手形」など 支払いを待ってもらっているお金

この式は「回収前の売上と在庫の合計額から、支払いを待ってもらっている分を引いても、なお事業を回すために必要な立て替え資金はいくらか」を示しています。この数字を根拠にすれば、銀行員も「なるほど、これだけ必要なのですね」と納得せざるを得ません。

【成功事例①】計算式を武器に計画的な資金調達を実現したITサービス業A社
状況 年商8,000万円のITサービス業A社。毎年20%の成長を続けていたが常に資金繰りがタイトだった。
希望額 経常運転資金として1,000万円
結果 満額1,000万円の融資に成功
【評価されたポイント】
①論理的な説明 上記の計算式を提示し、「売上増に伴い経常運転資金が1,000万円不足している」と明確に説明。
②前向きな事業計画 「この資金があれば安心して新規クライアントの開拓に注力でき、来期はさらに30%の成長が見込める」という攻めの姿勢を評価された。

4.あなたの会社は大丈夫?無借金経営リスク度チェックリスト

ご自身の会社に当てはまるか、チェックしてみてください。3つ以上当てはまったら、要注意です。

□「無借金であること」が会社の自慢の一つだ。
□銀行の担当者と年に1回も会っていない。
□融資の申し込みは本当に困った時だけするものだと思っている。
□自社の「経常運転資金」がいくらか即答できない。
□急に売上が2倍になるような大きな仕事が来たら資金繰りに窮すると思う。
□銀行から「何かご融資の使い道はありませんか?」と提案されても断っている。

5.借入は「攻めの財務戦略」、銀行と上手に付き合うための交渉術

借入は守りのためだけではありません。
未来への投資であり、成長を加速させるための「攻めの財務戦略」です。

【成功事例②】短期借入で成長を加速させた食品卸売業B社
状況 年商3億円の食品卸売業B社。夏場の飲料需要拡大に合わせ、毎年仕入れが急増する。
希望額 季節性の増加運転資金として、毎年5月に2,000万円(返済期間6ヶ月)
結果 毎年、スムーズな資金調達に成功
【評価されたポイント】
①計画性 資金需要の時期と金額、返済の目処(夏場の売上入金)が明確。
②良好な関係 毎年繰り返すことで、銀行との間に「この会社は計画通りに事業を行い、きちんと返す優良企業だ」という信頼関係が構築されている。

6.まとめ:無借金経営の幻想から脱却し、強い会社を作るために

(1)過度な無借金経営は、銀行との信頼関係構築の機会を失い、いざという時に命取りになるリスクがある。
(2)銀行にとって計画的に借りてきちんと返す会社こそが「優良な取引先」である。
(3)運転資金は事業の血液。「経常運転資金」と「増加運転資金」の2種類を理解する。
(4)「経常運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務」の式で、必要な資金額を論理的に算出する。
(5)借入は「守り」ではなく、成長のための「攻めの財務戦略」と捉える。
(6)少額でも定期的に借入と返済の実績を作り、銀行とのパイプを太くしておくことが最強のリスク管理になる。

7.次のアクションプラン

社長、未来の会社を守り、育てるために、今すぐ行動を起こしましょう。

(1)直近の決算書を用意し「経使常運転資金の計算式」で自社に必要な資金額を実際に計算してみる。
(2)取引銀行の担当者に電話をし「最近の業績報告をしたい」とアポイントを取ってみる。(融資の話はまだしなくてOKです)
(3)向こう1年間の事業計画を考え、どのタイミングで、どのくらいの資金が追加で必要になりそうか、未来の資金需要を予測してみる。

銀行は敵ではありません。
あなたの事業を最もよく理解し共に成長を目指すパートナーです。
その第一歩を、今日から踏み出してください。



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