創業融資マニュアル
公開日:2020/01/21

事業計画書を作成する重要性について(融資を申し込む前に注意するポイント)

事業計画書を作成する重要性について(融資を申し込む前に注意するポイント)

事業計画書を作成する重要性について(融資を申し込む前に注意するポイント)

日本政策金融公庫、信用保証協会、民間金融機関とも開業・創業後どのような業績で推移、予想されるかを具体的に数字で表現できるかが重要になります。
また、事業を行うことで返済は可能(貸したお金は、確実に戻ってくるのか)なのかの検証も行われます。

事業計画作成上の主なポイントをまとめましたので参考にして下さい。

1、経歴

融資対象事業を営む上で活用できるものを中心に、初めて職業についてから現在までをできるだけ間が空かないように記入して下さい。
ここでポイントは就業期間の間が空かない事です。
間が空いてしまうと、どうしてもその間は何をしていたのかを確認されてしまいます。

最終学歴、職務経歴は部署、役職、就労内容も記載します。

ここでのアピールポイントは「前職の内容」、「業界取引先の人脈」、「前職において、どのように企業を成長させたか」等です。
前職での職務実績や人脈を記載し、これらが今後の顧客基盤につながっている点をアピールすればより事業成功の蓋然性がアピール出来ます。

職務経歴は金融機関の担当者にとり重要な判断材料となります。
金融機関の担当者は過去に類似した事業経験があることは失敗する可能性が低いと判断しています。

すなわち、失敗する可能性が低いということは、融資を行っても返済できる能力があると判断しているからです。

例えば、アパレルショップで勤務した人が独立し自分のお店を持つという場合、過去のキャリア(アパレルショップでの接客、経理、部下マネジメント、商品仕入れ等)があるため、融資を行ったとしても事業に失敗せず、融資を返済してくれそうだとの判断が働くのです。

また、逆に新規ビジネス(全く経験の無いビジネス)を行う場合は、スキルと経験がない人は、そのビジネスに対して事業の計画性があるかがポイントになります。

しかし、事業計画を脚色をしてしまうと逆に事業の詳細な説明が出来ません。
やはり、嘘はばれますので、ほどほどにしておいた方が賢明です。

ちなみに、経験がない方でも、FCなど本部のバックアップで事業が運営できる場合は、その点を中心に説明して下さい。

特に日本政策金融公庫は経験を重視しますので注意が必要です。

また、社長が高齢の場合、後継者の有無も重要なポイントになります。
開業時には、難しいかもしれませんが、後継者がいる場合、社内外でどのような地位にいるのかなどを記載することも重要です。

2、事業の概要

屋号、所在地、連絡先、内容、決算期、従業員などを、登記簿や定款の内容を中心に記載します。

飲食業や美容業等は「所在地」は重要なポイントとなりますので、なぜこの所在地で開業するのか説明できることも大切です。

融資審査担当者にとっては、記載されている「所在地」は重要な融資や保証の判断材料になります。
例えば、美容業で銀座に美容室を開業する場合、ずっと銀座で勤務していたことが、独立した後に十分な顧客基盤があると説明できると金融機関の担当者にとってはプラスに働きます。

ちなみに、本店の所在地と店舗の所在地が異なっていれば、必ず実際に事業を行う所在地は記載しておいて下さい。

また、自宅を所在地とした方は注意が必要です。
事務所としての内装を整える等、きちっと事務所のレイアウトにした方が良いです。

何故なら、新規開業の場合、通常、信用保証協会の担当者は実際に見に来る(目的は、事業の実態が本当にあるのかの確認となります。)場合がありますので、ビジネスを行うレイアウトになっていないと、事業の実態がないとみなされる恐れがあります。
ちなみに、信用保証協会の担当者が事務所を見に来るのは最初(創業時)だけだと考えておけば良いと思います。

事業所が賃貸の場合、賃貸借契約書も書類として用意する必要があります。
賃貸借契約書の使用用途が「住居」となっていると「本当に事務所使用で大丈夫なのか」等と突っ込んでくる融資担当者もおりますので注意が必要です。
賃貸契約書やマンションの規約を確認すれば、住居専用や事務所使用不可との記載があるかもしれませんので、マンション形式の場所で開業する場合には、念の為に確認しておかれる事をお勧めします。

また、事業が進展していることを表す顧客との見積書、契約書を予め用意出来るのであれば用意し、きちっと実態があることを印象づけることが大切です。

余談ですが、決算期については3月(会計期間を4月~翌3月とするケースが非常に多いです。)に設定すると会計事務所の繁忙期となるため、会計事務所によれば通り一辺倒の決算しか作成してくれない可能性があります。
その為、3月を決算期とすることは定款作成時に検討した方が良いでしょう。

3、創業に至った動機

なぜ創業したのかを過去の経歴を具体的に記載し、創業する仕事の内容と関連づけて記載して下さい。

特に、開業の動機やこの分野での開業に至った経緯、事業に対する考え方や熱意について記載します。

どのようなサービスや製品、ビジネスモデルの「強み、特徴、メリット」を活かして事業開始、この分野に進出をするかについて記入します。

ちなみに、信用保証協会の融資のスタンスとして、基本的に会社員として働いている人に融資は厳しいです。

日本政策金融公庫は、例えば会社員でありながらFCとして事業を行う場合等には、融資を検討して貰えます。

「創業」とは、会社を退職し、個人が事業を立ち上げることの確認なのです。

日本政策金融公庫も信用保証協会も創業に至った動機は重要視しています。

また、日本政策金融公庫も信用保証協会は経営者のやる気、事業内容や事業における経験値を重視します。

4、強み、セールスポイント

創業・開業を成功させる為には、他社との違いを分かり易く、記載することが必要です。

製品・サービスの内容、特徴や他社との違いや優位性、「受賞歴」「特許」「許認可」などを中心に、詳細に記載します。
例えば、建築業で創業しようとする場合の、「建設業」の許認可や、職業紹介事業で創業しようとする場合の「有料職業紹介事業者」の許認可は事業の前提として必要(面談の時に必ず聴取事項となるとお考え下さい。)になるとお考え下さい。
自社の製品が新聞や雑誌で取り上げられたものがあれば、その記事も金融機関に提出すると有効です。

金融機関担当者は、第三者から評価されたことを高く評価するからです。
また、企業活動を実際に見る機会の少ない金融機関担当者にとっては、積極的に企業活動をイメージできる写真やパンフレットなどの資料を活用することがプラスの判断材料に繋がります。
「競合他社」の記載にあたっては、どのような競合他社が存在するのか明確にした上で、どのような「強み、特徴」を活用して競争上の優位点を確認するのか、具体的に記載して下さい。

5、商圏について

商品・サービスのマーケットを具体的な数字(例えば半径500mに競合店が何店舗あるか、その地域の売上はどの程度あるかなど)記載して下さい。

写真や見積書、物件概要書、契約書や商圏分析のデータ等を添付すると、しっかりと事業を行うのだなという印象を金融機関担当者に与えることができます。

特に、対象とする顧客とその顧客が求めるニーズ、対象とする市場の特徴、市場規模に当該商圏が合致すること、同じ商圏内にいる競合他社の状況などを具体的な数値を、図や表を用いて表すと、融資審査担当者にはかなり好印象です。

例えば、飲食店や美容業は商圏分析等の資料を添付する事は効果が高いです。
なお、商圏はインターネットで検索すれば出てくる事が多いので、それを加工すれば時間的には、あまり掛からないと思います。

6、事業(収支)計画(初年度)

開業・創業初年度の収支計画とその根拠を記載して下さい。

当然ながら、初年度から赤字では事業をする意味がありません。
※損益上は赤字でも資金繰り上は黒字が前提となります。

事業を開始する方で赤字の計画書を書く方はいらっしゃらないと思いますが、逆に大幅な黒字も考えものです。

初年度は初期投資が多くて赤字になっても大丈夫という方がいます。

初期投資を開業費用として、まとめて繰延資産に計上し、毎期償却することで、赤字を回避することが可能かもしれません。
赤字では、融資の返済原資が確保出来ない為、融資や保証のネガティブな判断にならないためにも、やはり黒字の計画が必要です。
ちなみに、金融機関担当者は何百社も会社を見ています。
初年度から営業利益○○千万円や〇億円という計画を立てても、どこまで信憑性があるか疑ってしまいます。
このような計画では、「失敗した時のリカバリーが出来るのか?」「リスクヘッジの認識はあるのか?」、「そもそもこの計画は何を前提にしているのか?・・」等と疑心暗鬼になってしまいます。
経営者は最大限の数字を提示する方が非常に多いのですが、金融機関との融資や保証の交渉においては、初年度から楽観的な大幅な売上や利益では逆(融資や保証に対しネガティブな判断)になることも多いです。

慎重に堅い計数計画(数字)で黒字になる計画をしてください。
慎重に考えると様々なリカバリープランが出てくると思います。

慎重に考えると、この計数計画(数字)が達成できなかったら、次は〇〇の方法でリカバリーし、計画数字通りに事業が推移すると考えると思います。
最大限の数字で計数計画(数字)を進めるとリカバリーが利かなくなります。
何か1つでも予想外のことが起こると計画は全て狂ってきます。
そのような計画が前提では金融機関は怖くて融資はできないのです。

確実に返済を行い、堅実に売上と利益を伸ばせるような計画書を作成してください。

7、事業(収支)計画(初年度以降)

初年度の計画をベースに基本的には、少しずつでも売上・利益が伸びていく数値を記載して下さい。
また、その数値は融資を返済できる利益(及び減価償却額)数字で整合性があるようにして下さい。
ちなみに、融資の返済は、基本的に、税引後利益に減価償却費を足したものが返済原資となります。

「資金繰りで返済する」「収益で返済する」など様々な返済プランがありますが、どちらにしても元本と金利は必ず返せるように「資金繰り表」「収支計画」には必ず反映させて下さい。

この項目がないと金融機関の担当者は、返済が可能なのか、返済する気があるのか不安になります。

また、創業融資には6ヶ月間等の元本返済据置期間を取るかどうかの選択もできます。
これを取ると当初の資金繰りは楽になります。

しかし、売上が上がって追加の融資を申し込もうとした場合、基本的には返済が進んでいないと追加融資は出ません。

折り返し融資(元本返済分+売上増加分で追加融資を出すこと)を1年以内に申込む可能性があるのであれば6ヶ月間等の元本返済据置は取らない方が良いと思います。

決算まで融資を申し込む予定がなければ6ヶ月間等の元本返済据置を取った方が経営上は楽だと思いますので、どちらを取るかは経営者としての判断になります。

8、必要資金と資金使途について

融資を申し込むにあたっては、資金使途が必要となります。

通常、資金使途は設備資金と運転資金になりますが、設備資金には見積書等、購入根拠が具体的に分かるようにして下さい。
設備資金については、振込記録も必要となります。
※金融機関は、本当に設備投資が行われたかを確認するために、決算書の固定資産台帳を確認する場合もありますので注意が必要です。

また、「運転資金」として申込をしたとしても、金融機関はそれが何の資金であるかをよく見ています。
運転資金については「資金使途」と「返済原資」を経営者自ら説明できるようにしておくことが必要です。
ちなみに、融資の対象となる運転資金の目安は支出(月の経費の3ヶ月分)の3か月分位です。
売掛金・手形等の回収期間に応じた金額も記入すると分かり易いです。

なお、融資実行前に支払った経費は、基本的に融資の対象外となりますのでご注意ください。

運転資金の融資で資金繰表や収支計画書を金融機関から求められた場合には人件費や商品仕入資金など収支計画との整合性に注意をして下さい。

特に、資金繰り表と収支計画の経費の数字が異なると、金融機関の担当者にとっては、どちらが正しいのか、融資をいくら出せばよいか判断できない状況になります。

資金繰り表と収支計画の差異が資金サイト(売上・仕入と入出金が起こるまでの時間的ギャップ)ものであれば当然ながらズレますので問題ないのですが、単純な数字の入力ミスはないように入念に確認してください。

また過剰な運転資金の融資申し込みは禁物です。
特に支出の3ヶ月を超える申込金額では却下される可能性があります。
融資申し込み金額は「経費≦支出の3ヶ月」となるように注意してください。

資金繰り表を作成し、提出する場合には借入予定額を記載し、上記の必要資金がいつ必要かということを明記してください。

資金繰り上で、予定月に融資が下りないとキャッシュアウトしてしまう恐れのある計画を作成すると、金融機関としては融資の必要時期も分かりますし、金融支援が必要だと考えます。
融資が無くても、各月末の残高が多額に残る資金繰り表では、「そもそも融資が必要ないのではないか」と考えられてしまいますので注意してください。
次に「設備資金」とは、工事費、店舗改装費、保障費、敷金、什器、備品、車両等が対象で、基本は業者からの見積もり書の添付が必要となります。

設備資金も運転資金同様、資金使途、導入後の事業計画、返済計画を事業計画書の中で設備増強後の収益計画をしっかり立てることが大切です。

計算上、一般的に融資金の返済原資として考えられているのは
返済原資=税引き後利益+減価償却額
※但し、特別損益が発生する場合は経常利益で検討する。
となります。

この範囲内で融資金の返済が収まる事が望ましく、これを収益弁済と言います。この図式が成り立つ計画になることは必要なのです。
なお、返済年数の設定は、通常は、その設備の償却期間と同じようにすることが大事です。
融資金の返済期間を設備の償却年数よりも短くしてしまうと、融資の返済が苦しくなりますので注意が必要です。
また、無形固定資産に該当するソフトウェアの購入・開発費用等は設備資金に含めて考えて貰って大丈夫です。
上記については、予想資金繰り表と予想損益計画を、提出することで説明していきます。
資金繰り表は、銀行融資を受ける上で、多いなる威力を発揮します。

企業への融資は、銀行内部では支店長か本部の審査部が融資についての承認を行いますが、その際に参考にするのが、担当者から上がってきた「稟議書」という書類です。

資金繰り表には、「資金計画」・「資金使途」・「返済原資」・「今年度計画」など、担当者が稟議書を作成する際に必要な項目が殆ど入っているからです。

つまり、企業への融資金がどのように使われて戻ってくるのか、という金融機関が最も知りたいことを、資金繰り表を使えば、具体的に説明できるからなのです。

銀行の営業マンは日々予算のノルマに追われ、一社一社の書類に丁寧に目を通す時間はほとんどありません。

そのため稟議書に記載しやすいよう完璧な書類を漏らさず提出するかが、とても大切なのです。

収支計画書は、資金繰り表と合わせて、初年度黒字となることを表すためにとても大切です。

1期目が黒字となることが大切であり、黒字にならないような収支計画は、そもそも融資しても返済の見通しが怪しい(事業性がない)との判断が下されることになります。

なお、収支計画書は会計上(損益的な話)の話であり、減価償却費などは、損益計算には記載するものの、実際のお金が出入りする訳ではないので、資金繰り表には記載しないないなど、それぞれの事項の記載には注意が必要です。

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